「古事記」、「日本書紀」というと神話であり天皇家の興りが綴られたもの(歴史記録文学)であり、神話と言うと私にとっては何となく現実味が感じられずさほど興味を惹かなかった。著者の源氏物語物を何冊か読んでその捉え方が面白いと思い、この際、「古事記」も勉強させてもらおうと思って読んだ。源氏物語物ほどではないが、舌好調に日本の神々の歴史を愛(まぐはい)をテーマにかいつまんで解説してくれている。ヤマトタケル命も仁徳天皇も真っ青って感じである。脱糞行為はエクスタシーの一種、と言うのも大塚節が冴えていて興味深かった(古代におけるトイレ施設の意味合いも含めて)。ただ、中高生が読んでどうだろうかとは思う。決して教育上良くないという意味ではなく、恋愛経験がある程度ないと単なる下ネタ話にしか思えないのではないだろうか。結果的には「古事記」を題材にした恋愛論が展開されているのであるが、真面目な意味で歴史の勉強にもなった。それと、以前「絵画で読む聖書」(中丸明)を読んだせいかもしれないが、本書を読み終えて「古事記」とか「日本書紀」って神道におけるバイブルなのかなと思ったりもした(天孫降臨の辺りなど聖書に似ているような気がする)。