著者は冠婚葬祭の仕事に携わり、日々 多くの大切な人を亡くした人達に立ち会っている。
様々な悲しみを抱えた人達と身近に接している著者であるからこそ、残された遺族に必要なことは何だろうかと、問い 確信し 書かれたものが本書である。亡くなられた人からのメッセージとして手紙形式で分かりやすく記されている。
葬儀を行うということは、一連の儀式を行うことによって、遺族を喪失の深い悲しみから、一時的ではあるが現実に引き戻したり、心を結び合わせる力があり、心にけじめをつける意味もあると述べている。確かに、私も今思えばまさにその通りであると思う。
今から16年前、当然助かると思っていた最愛の父の死に直面し、悲しみにくれる中、淡々と厳かに執り行われていく儀式の中で、参列して下さった多くの方々と失った悲しみを共有することができ、感謝の気持ちが溢れ出たことを思い出す。
本書では、自然、いのち、学び、愛、時間についてなど孔子やブッダの教えやグリーフ・カウンセラーからの指針などを紹介し、現代を生きる私達に、わかりやすく語りかけいる。特に著者の「生きることは 学びであり、試練を乗り越え、魂を成長させること。『死』はこの世の卒業式であり、卒業とは 死者にも残された私達にとっても新たな『旅立ち』である。」という言葉に心から感銘を受けた。
本書は深い悲しみを持った人には、心の灯しびとなることでしょう。
私を含め、すべての読者に希望という光を射し、未来へとつながる勇気が生まれる一冊である。