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今をときめく宇多田ヒカルは、三年前、自分の推薦するCD30タイトルのうちに、日本のものではGLAY『REVIEW』に加え、尾崎のこのベスト・アルバムを含め、「尾崎みたいにかっこいい人間は日本にはちょっといない」と語りました。宇多田にそうさせたのもうなずけるほど、このベスト・アルバムに収録されている尾崎豊の楽曲も、どれもすぐれています。さらに、CDエクストラには、急いで作られた感じもしますが、尾崎のディスコグラフィ(レコード、CDなどの発売歴、発売日、タイトル、曲目)やツアー歴などの「コンプリート・データ」や未公開映像が収録されているので、パソコン利用者にはけっこうお得な一枚です。
ただし、収録曲目については、尾崎の生前や死後にシングル・リリースされたいわゆるヒット曲が中心なので、あまりに俗受けを狙いすぎた観があります。ですから、各アルバムの最後を締めたという意味で重要な曲である「僕が僕であるために」(『十七歳の地図』)、「シェリー」(『回帰線』)、「誕生」(『誕生』)は、『「ARTERY&VEIN」THE VERY BEST OF YUTAKA OZAKI』のほうに収められています。とくに、ひどいというか初心者に対して不親切だと思うのは、このベスト・アルバムのタイトル「愛すべきものすべてに」が「シェリー」の歌詞からとられているのにもかかわらず、「シェリー」がこのベスト・アルバムには収められておらず、なおかつそのことについて何の説明も記されていないことです。
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