露骨な写真がどうしても難しく感じてしまい、まずこの「愛しのチロ」から入ろうと思いました。
私の初・荒木さんの本が、この本です。
とにかく日常にチロがいる。
酔って帰ってきたら、チロを抱いて記念撮影。
奥さんとチロ。
昼寝しているおなかの上に、チロ。
物を書いている肩の上に、チロ。
本当に好きで好きでたまらない、いつもそこにチロと奥さんがいるのだな、というのがひしひしと伝わってきます。
猫の写真集は本当に多く、いかにも可愛い表情やしぐさ、カゴなどの小道具を使ったものが氾濫していますが・・・この本のチロは、実に自然です。
自然すぎて、自分が荒木さんの家に居て、自分が飼っているんじゃないかというくらい、入り込んでしまいます。
大変愛らしい表情やしぐさの写真が満載ですが、その中に捕ってきた獲物をもてあそんでいるチロの写真がありました。
それが妙に獣じみて見えたのは、さすが荒木さん・・・という所なのでしょうか。猫が鳥を捕食するのは当たり前なのに、そんな所を写した可愛い猫の写真集なんて滅多に無いですよね・・・猫を飼っている人には、当たり前の光景かもしれませんが。
ところどころに、荒木さん自筆の回想録のようなものが挿入されています。「HIROMIX01」という本も、こんな風だったかなぁ。
愛情だらけ、ノロケだらけですが、言葉遊びのような、不思議な文章です。頭の中にある感情をそのまんま吐き出したような文章。荒木さんの写真を文章で表したなら、こういう文章になるという事なのかな・・・と思いました。
ほとんどモノクロで独特の雰囲気がありますが、女性ヌードなどより、いくらかとっつきやすいはずです。
なので、猫好きさんだけでなく、アラーキーの写真入門編にもオススメです。