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愚か者、中国をゆく (光文社新書)
 
 

愚か者、中国をゆく (光文社新書) [新書]

星野博美
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

◎ 概 要
中国社会の本質を鋭くとらえた貴重な記録
大宅壮一ノンフィクション賞受賞作、
『転がる香港に苔は生えない』の原点

◎ 内容紹介
中国に関する報道や批評などを目にした時に
外部の人間がイメージする中国という国と、人民の実生活
には大きな隔たりがある、というのが、二〇年近く、
なんとなく中国と関わり続けてきた私の実感だ。
それらを「情報」と呼ぶなら、情報によって喚起される
イメージを鵜呑みにすると中国はどんどん見えなくなるぞ、
という一種の警戒感のようなものは、
たびたび中国を旅行していたこの時期に
培ったと思っている。(「はじめに」より)
交換留学生として香港に渡った著者は、
一九八七年、アメリカの友人、マイケルと中国旅行に出る。
中国社会が大きな変化を迎えたこの時期に、
何を感じ、何を見たのか----。

◎プロフィル
星野博美(ほしのひろみ)
一九六六年東京都生まれ。会社勤務、写真家・橋口譲二氏の
アシスタントを経てフリーに。香港返還前後の二年間、
香港で暮らした体験を書いた『転がる香港に苔は生えない』で
第三二回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
その他の著書に『謝々! チャイニーズ』『銭湯の女神』
『のりたまと煙突』『迷子の自由』『対話の教室』(橋口譲二共著)、
写真集に『華南体感』『ホンコンフラワー』がある。

◎ 目次
はじめに 餃子とJAPANと四人組
第一章 香 港
第二章 広 州
第三章 西安から蘭州へ
第四章 嘉峪関まで
第五章 シルクロード
第六章 ウイグル
第七章 旅の終わり
第八章 それから
おわりに 時代遅れの地図

◎ オビ裏
愚かさと間抜けさにはこの際目をつぶっていただき、
しばらくの間、八〇年代後半の時空旅行にお付き合い
いただきたい。そしてこれが大昔の話ではなく、
たかだか二〇年前の話だということに、
ぜひ留意していただきたい。それを意識するだけでも、
読者の目に現在の中国が少しは違って見えるだろう。                
(「はじめに」より)

内容(「BOOK」データベースより)

交換留学生として香港に渡った著者は、一九八七年、アメリカの友人、マイケルと中国旅行に出る。中国社会が大きな転換期を迎えたこの時期に、何を感じ、何を見たのか。「大国」の本質を鋭くとらえた貴重な記録。

登録情報

  • 新書: 344ページ
  • 出版社: 光文社 (2008/5/16)
  • ISBN-10: 4334034535
  • ISBN-13: 978-4334034535
  • 発売日: 2008/5/16
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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By 辰己 トップ100レビュアー
形式:新書
最初は、著者の若い頃(20年前)の旅行記かと思って読み始めた。
たしかのその通りではあるのだが、中国のルポルタージュが縦糸に、
かつての苦い思い出や、今も抱き続ける中国、香港への強いこだわりが横糸になり、
非常に面白く読めた。
「転がる香港に苔は生えない」もさすがだったが、この著者は、自らを真剣に見つめる目を持っている。
これはノンフィクションライターとして不可欠のものだと思う。

もっとも……文章のタッチは軽い。
ユーモアもあり、その中に異文化交流(とひと言で言い切れないのだが)に戸惑う著者の姿も見られ、
考えさせられることも多かった。

こういうアジアものの紀行文は少なくないが、沢木耕太郎などとはまったく違った味を出している。
自らを「愚か者」と言いつつ、そんな自分を嫌いになれない。中国とも縁を切れない……。
そんな「ゆらぎ」が感じられる素晴らしい紀行文である。
このレビューは参考になりましたか?
16 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 革命人士 トップ500レビュアー
形式:新書
20年前、中国旅行に憧れがすごくあった。「地球の歩き方・中国編」をむさぼるように読んでいたが、当時の地球の歩き方は、とにかく硬臥(2等寝台)の切符を取るのがいかに難しいかを力説していたような記憶がある。硬臥は絶対取れないもんだと、中国に行ったこともない私がそう感じていた。そんな20年前に、無謀にも香港からウルムチまで、中国鉄道大紀行を始めた著者と大学の同級生であるアメリカ人の物語。本書のタイトルの「愚か者」と帯のドストエフスキーという言葉は旅行中広がる著者とパートナーの心の溝を象徴する。

なぜ、20年前の旅行録を今頃出すのかと思った。しかも観光名所についてあれこれと語るわけではなく、前半はひたすら何日も並ぶ硬臥切符の取りにくさ、後半は著者の相方のアメリカ人との心の溝について書いてある。でも、読んでいるうち、今の中国とのギャップに感嘆するようになってきた。20年前の中国は何もかも混沌の中にあった。長距離切符もホストコンピューターなんてなくて、各駅に切符が割り当てられるだけ。それが今は自宅でネット予約ができる。日本が半世紀以上かかった切符予約の進化を20年以下でやってのけた。予約に限らず、あらゆることが中国では変わった。この激変を示すためにあえて、20年前の鉄道旅行というテーマを選んだのかな、と思った。当時こそ硬座乗車記などあふれていたが、著者は時代を経て体験を語ることで、逆に20年前の「地球の歩き方」に充ちていた、変貌する共産中国の空気をよく伝えている。
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18 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ringmoo トップ500レビュアー
形式:新書
1987年作者が香港から烏魯木斉まで、1ヶ月をかけた鉄道での旅を描いた紀行文です。

鉄道での旅とは言うものの、硬臥(二等寝台)、硬座(二等座席)を使ってのもので、ここからも作者の「中国」を外国人の目からではなく、「中国人」の考え方、気持ちを、その立場に少しでも近づけて知りたいという強い思いが感じられます。
それは、この文章の端々からも感じられます。と同時に、作者の「中国」に対する愛情のようなものさえ感じられます。

私自身も、西安から北京に寝台列車で移動したことがあるので、中国の鉄道の車窓が懐かしく思い出されます。
もっとも、作者の旅の時点から10年後なので、様子はかなり違いますが。

この本から感じたもう一つの点は、異文化のぶつかり合いです。
この旅自身が、日本人女性とアメリカ人男性の二人連れということで、そこにも異文化のぶつかり合いがあり、旅の途中で関係がぎこちないものになります。
作者は、それを香港と言う「無国籍都市」では、そうした異文化の問題が表面化しなかったが、「中国」と言う異文化の中で表面化してしまったと分析しています。
西洋人にとっての「中国」と、東洋人である日本人にとっての「中国」に対する考え方の違いがあります。
それと面白かったのは、同じ西洋人の間でのドイツ人とのトラブルです。日本人から見ると、西洋人は皆同じようにみえますが。

非常に楽しい紀行文でした。
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