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意識に直接与えられたものについての試論 (ちくま学芸文庫)
 
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意識に直接与えられたものについての試論 (ちくま学芸文庫) [文庫]

アンリ ベルクソン , Henri Bergson , 合田 正人 , 平井 靖史
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

「あの苦しみはこの苦しみより大きい」、「これを欲するわたしとあれを欲するわたしとが衝突する」などと口にするとき、私たちは何を比較し、何を対立させているのか、ベルクソンは、人間の内的事象に固有の表現を、言語の限界線上に模索してゆく。感覚や情緒など互いに比較不能な純粋に質的な諸状態、それらが相互浸透する多様性、さらにその多様性が“持続”において展開する有機能組織化…。本書では、これらの考察を通じて、全く動的に再編された斬新な行為論・自由論が呈示される。『時間と自由』の通称でも知られるベルクソン第一主著の新訳。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ベルクソン,アンリ
1859‐1941年。パリ生まれ、フランスの哲学者。旧来の認識論の限界を超えるべく実証主義の手法を採り入れ、すべてを持続の相の下に捉え直し、直観によってこそ生きた現実が把握されるとする独自の経験論を確立した。1900‐1921年コレージュ・ド・フランス教授。第一次大戦頃より政治的発言や活動も多く、1929年にノーベル文学賞を受賞

合田 正人
1957年生まれ。東京都立大学助教授。フランス思想史

平井 靖史
1971年生まれ。福岡大学常勤講師。哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 310ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2002/06)
  • ISBN-10: 4480087052
  • ISBN-13: 978-4480087058
  • 発売日: 2002/06
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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形式:文庫
 内容については今更どうこう言うまでもない。ベルクソンの実質的なデビュー作にして代表作である。彼の哲学の全てはここから始まった。

 現在、文庫本で簡単かつ安価に入手できるものとしてはこのちくま学芸文庫版と、岩波文庫版だろう。つまり選択肢は二つあるわけだ。平明な訳文と、シュヴァリエの『ベルクソンとの対話』などを引用しつつベルクソンの生い立ちも綴った、初学者にも親切な作りになっている岩波文庫版にたいして、こちらはもう少しマニアックな作りになっている。

 どういうことかというと、これまで鍵語としては重要視されてこなかった語にたいしても敢えて原語を付しておくことで、新たな鍵語として注目させることで、多種多様な読みの可能性を示唆しているのである。もっとも、こう言うと、現代フランス哲学(特にドゥルーズのベルクソン論)を念頭に置いて造られた現代思想のおもちゃのように思われる向きもあるかもしれないが、巻末の合田氏の解説などを参照してもわかる通り、この翻訳の意図の持つ射程はもっと間口の広いものである。特にベルクソン哲学における「他者への共感」という点にたいする着目は、ただ単にレヴィナスとの類似点を発見して喜ぶというような稚拙なものではなく、「純粋持続」というものを我々の実地の経験に則して理解しようとすれば避けて通れないものであり、また晩年の主著『道徳と宗教のニ源泉』を如何に読み、理解するかという点にも大きく関係してくる。少なくとも、これはドゥルーズのベルクソン論を叩いても出てこない着眼点である。

 加えて、上記の合田氏の解説とは別に、共訳者の平井氏による、ベルクソンの自由論を「表現としての自由」という点に着目して丁寧に検討した解説も読み応えがある。既に岩波文庫版や他の翻訳を持っている人にも広く薦めたい。
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