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意識と存在の謎―ある宗教者との対話 (講談社現代新書)
 
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意識と存在の謎―ある宗教者との対話 (講談社現代新書) [新書]

高橋 たか子
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

1人1人が生きている、生かされているとはどういうことなのか。救いへの道を希求する思索の書。

意識の目覚め――意識とは何でしょうか。一般に言われているそれではなくて、一般に言われている無意識をもふくめた、意識のことですが。存在イコール意識という存在論と表裏をなす意識論における、それ。まず、誰にとってもわかる実例から入ってゆきます。生活の業務をしている時、どこか自分の奥から、ぽっと、その業務とはかならずしも関係なく、何かが湧きでてきて、それに留意していると、だんだんはっきりしてきます。普通は、はっきりしてくる前に、その時している業務の必要事のほうへ注意が戻るので、湧きでてきた何かは消えてしまう。そして、それが何であったかも、そんな発生のことも、すっかり忘れてしまう。――本書より

内容(「BOOK」データベースより)

一人一人が生きている、生かされているとはどういうことなのか。救いへの道を希求する思索の書。

登録情報

  • 新書: 197ページ
  • 出版社: 講談社 (1996/08)
  • ISBN-10: 4061493175
  • ISBN-13: 978-4061493179
  • 発売日: 1996/08
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:新書
 書店で何気なく手に取った。そして、この本が、小生の心をしばらく捕えてはなさなかった。高橋さんは、フランスの厳格で鳴るカトリック、「カルメル会」の修道院に生活し、ここ何年も瞑想修行の日々を送っておられると言う。心の在り方や、意識の深度に関しての省察は、形而上的でもある。私たちを含めて、生きている命の持つ心は、何層かに成っており、その、心を降りて行くと、生きている上で体験・経験した、「自意識」、発生過程で体験した、「マナ識」、そして「存在化」以前の、生とも言わず、死とも言わず、言葉の表現を拒む、「阿頼耶識」に至ると言う。例え、如何なる修行を経ても、「阿頼耶識」の体験は、凡そ、困難な事柄に属するのだと言う。

副題が「ある宗教者との対話」と、あるが、これは「死と生の形而上学」とでも、或いは「意識から見た、存在と無の形而上学」でもあろうか。我々の日々生活している、何気ない、気付きと心の深みに関する、意欲的な探求であり、易しい言葉で書かれているが、実に深い洞察に満ちている。まるで、イグナチィウス・ロヨラの書いた「霊操」の様な、本物の「形而上学」の興奮が伝わって来る様な新書である。この薄い新書のお陰で、井筒俊彦氏の、意識の形而上学ー「大乗起信論の哲学」、岩波文庫の「大乗起信論」まで、読む羽目に至った。

今日と言う日々、人々の心に、重く圧し掛かる閉塞感、或いは、絶望感は一体何なのだろう。日頃、私達が、何不思議なく懐いている、この自我意識は、極めて限定的なものであり、多くの人は、自らの内なる深い宇宙を、意識すること無く生きている。もし、ごく稀に、それに気付く時は、夢を反芻した時だけだ。この新書は、世俗的地位や金銭的資産や銭が一番の宝だとの思いに、確信を懐いている向きには、冷水を浴びせかける本であろう。

私達は、誰でも死に際して、ただ一人、長いトンネルを行かねばならない。「バルド」という中陰を、潜り抜けると云う、中陰とは、この世でも、新たに生まれる次の世でもない、漂っている魂の情態を言うらしい。そして、この中陰を越えて行くと云う事は、余程しっかりとした内面の覚悟と、無への順応なしには、凡そ、迷い続ける困難な道となるらしい。思えば、この様な「存在と意識」の迷宮を探求した人は、何人も居られる、CユングもRシュタイナー、W・Bイェーツもそうであろう。日本にも、弘法大師空海、明恵上人、近代では、井筒俊彦氏や、禅の偉大な導師たちがあげられる。

忙しく暮らし、自己を見失いがちな私達。裸で、生まれて来て、裸で、この世を去る私達。
厳然とした、これらの事実を通じて、この世界に存在する事、その与えられた命の意味は何なのだろう?と、思う。恐らく、高橋さんも書かれている様に、「生きている内には、その根源的意味は、決して、生者に明かされる事は無い。たぶん死ぬと言う事は、生まれ来た所に帰ってゆく事だ。そこでこそ、生きたこの人生の意味が、解き明かされる」と、信じたい。

「人生の感動は何処に有りや?」、「限られた命の真愛は何処にありや?」 老人もそうだが、若い人に、特に読んで欲しい本ですね。物思う種が沢山詰っていて、それはこの世界に生まれ出で、この意識的な時間の、根源的な、意味、問いを突き付けます、こんなに深い本は余り無い。ただ、どんな本にも言える事だが、読み手の内省的深度、潜在意識下の体験が、理解の深さを規定する事は、この新書本も例外ではない。青春の危機にある人、中年の危機にある人、重大な人生の危機には、静かに読んでみる価値の多い本であろう。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
意図を完璧に具象化し得ず、素裸のまま意図を話したがる。これは高橋和巳氏の遺稿の一節です。この正反対のあり方で、作者は対象を具象化します。
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