世界とは、その本質である唯一同一の「意志」が数多性の原理のもとに現象化したものであるが、この4巻では、その世界の実態と、その世界の中における人間の行状について述べられている。
・・・世界における悲惨は、「意志」の肯定が行き過ぎるというところにその根があり、その救済は意志の否定によるとし、世界の本質とその実態を十分に把握した個人は、その本質と同一のものである自分の本質(意志)について思索し、高潔な人物にあっては、その行状において、徳から禁欲へと解脱への道を一直線に突き進むこともあるであろう、と述べられている。
そして、そのような行状を通じて完全な無意志状態に至った個人は、その状態を保ち続ける限り、世界を芸術作品を鑑賞するような心持ちで眺めるであろう、と述べられている。(それに関連してキリスト教や仏教の聖者の行状の内的意義が説き明かされている。)
個人的な感想を述べると、前半のショーペンハウアーの世界観についてのところはかなり重く感じたが、中盤あたりからの内容は、まさに自己の「意志」の「鎮静剤」としての効果があるものだと感じた。激情を抑える効果があるのではないか、と思った。