...デザイン思考のための大著である。クラウス・クリッペンドルフの哲学は、我々が人工物に与える意味という観点で、どうやって人工物を作り、使うかということを述べている。それは、ユーザーとステークホルダーとの創造的な関わりに基づき、専門的なデザイン実践のための人間的かつシステマティックな基礎を築いた。クリッペンドルフの知的な旅は、今日のデザインとデザイン研究の中心テーマを反映し、新しいデザイナーがその分野に進む自分の道を考えるのを支援する。...
ケン・フリードマン(Ken Friedman)教授、ノルウェー経営大学院、デンマーク・デザイン・スクール
この果敢な労作は、系列的に自然科学とは別のもので、デザインのための具体の科学を展望したものである。...それが、デザイナーに生産品と環境を妥当なものとする確かな根拠を与え、技術ではなく人間を中心に据えた体系的なデザイン方法と、研究のための認識論というよりはむしろ、世界を改善するための認識論を提案し、...それゆえに、私たちのデザイン研究にとって未来に開かれた大きなステップである。
向井周太郎教授、武蔵野美術大学名誉教授、基礎デザイン学科前主任教授
デザイン理論を新しいレベルに位置づけ、...見事にウィトゲンシュタインを基にして、アフォーダンスの古典的な思考を一般化した。...読む価値がとても高い本書は、特に我々がグローバル経済において、グローバル経済のためにデザインする際に取り組む課題の今日的な意味を明らかにしている。
ジョン・シーリー・ブラウン(John Seely Brown)、ゼロックス社主席研究員兼パロアルト研究所ディレクター
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機能主義は死に絶えたか?,
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レビュー対象商品: 意味論的転回―デザインの新しい基礎理論 (単行本)
この著者は冒頭「今日の社会において時代錯誤になった機能主義者の確固たる社会秩序に対するデザイナーの盲目的な服従への挑戦である」と述べているとおり武者のように現代デザイン基礎に対して果敢に挑戦する内容となっています。そもそも近代デザインの祖バウハウスの提唱した「形態は機能に従う。(form follows function. )」という考え方は、19世紀末の提唱ですから今から一世紀以上昔の思想です。当時は様式美に囚われたモノ造りからの脱却という時代なのでアールデコに対するアンチテーゼとしての意味合いが強かったと思います。私は21世紀になった今でも機能主義的発想でデザインは行えるのだろうか?と常々疑問に思っていました。例えば車の機能はなんだろう?「人や物資を輸送する道具」か?いやそうではない。ある人にとって恋人とのデートに必要な二人っきりのプライベートスペースであったり、またある人にとっては洗車するという水鉄砲同様なレクリエーションツールであったり、スーパーカーを保有する人にとっては眺めて鑑賞するアイテムであったりと現代社会においてその人工物の持つ機能は十人十色となっている。工業化社会を脱し情報化社会となった現在その人にとってその人工物は何を意味するのか?という捕らえ方のほうがモノの本質を説明しやすい。 「形態はそれを使用する人が与える意味に従う」これはアップル社のMacintoshシリーズをデザインしてきたジョナサン・アイブズの言葉です。現代社会においてはこちらのほうがしっくりくる。記号論の一分野である意味論においては人が中心でありユーザーが何を求めているのか?によって機能は変化する。私はデザインとはモノに意味を持たせる行為であり新しい価値観を創造する事であると思っていたので、この本によってその考えは確信に変わり今まで抱えていたモヤモヤを払拭する事ができました。 さらに著者は今後のデザイナーが備えていなければならない資質について警告しています。曰く「他人の意見を聞くことなしに自分で行う孤高の才能あるデザイナーは急速に過去の人となりつつある。」 デザインディスコースが拡大する今日、デザイナーは元よりデザイナー以外のモノ造りにかかわる方、また複雑化したステークホルダーに対する企業経営のあり方について考えておられる方にも是非お勧めしたい一冊です。
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