軽くて重く、重くて軽い内容の本書。
村上春樹の本気がギンギンみなぎっている。
小説以外の著作では、確実に「最高傑作」だと断言する。
本書は単なる音楽評論ではない。
村上は以前「本当の自分を伝えるためには自分の好きなモノを語ればよい」と提案したことがある。
彼はその著作で、大好物であるカキフライの素晴らしさを語っていた。
ここではカキフライが、11人の音楽家である。
もうボリューム満点。
村上春樹によって、村上春樹自身がたっぷりと描かれているのだから。
音楽に興味がないからといって本書を敬遠するのは筋違い。
『村上春樹、自分を語る』というタイトルがふさわしい。
当然ながら村上ファンは必読だ。
彼の小説を読んだことがない読者にとっては、村上春樹という作家を知ることが出来る絶好の著作である。