この本は、意匠法の法律論を知財を専門とする弁理士ではなく片手間程度にしかやらない弁護士が解説した本である。そのせいか、あまり専門的な分野や、実務的な問題には踏み込んでいない。従って実務で使おうとするにはこの本では内容が大幅に不足するといわざるを得ない。
弁理士試験の意匠法を学ぼうとすると、意匠法の審査基準と、平成10年、平成11年改正意匠法意匠審査の運用基準とくらいしかまともな資料がなかった。その意味ではこういった本が出版されたのはよいことではないだろうか。
ただ平成18年改正意匠法に関しては、出版時期よりも前に法改正が行われて具体的内容が発表されていたにも関わらず、最後にとおりいっぺんの当たり障りのないことをさらっと書いてあるだけで、ほとんど触れていない。
このあたりに著者の読者及び知財に対する取り組み方や意識の一端が垣間見えるような気がする。
本来であれば多少出版時期を遅らせてでも平成18年の改正法に対する論点に関して突っ込んだ解説を行うべきではなかっただろうか?それを怠っている点は評価できない。
繰り返しになるが、実務に活かすつもりならこの本はやくにはたたない。
弁理士試験の受験生で意匠法の専門書を読んでみたいという方がおられるなら参考に読んでみるのもわるくはないのではないだろうか