内容(「BOOK」データベースより)
柳橋芸者に入れあげて、一人合点な恋に一喜一憂する書生・貞之進。若い男の自意識と、花柳界の恋のからくりを、明治文壇きっての批評家が描く斎藤緑雨『油地獄』。香気を含んだ春の雨が、幾重の情念をそっと揺り起こす。放埒で繊細な愛と性(田村俊子『春の晩』)。白い指先、かぐわしい香り、都会育ちの娘は噂にたがわぬ美しさだった。いずれ叶わぬ山男の恋心を、春の情趣豊かに綴る尾崎紅葉『恋山賎』。甘く切なく、ほろ苦い。恋に焦がれる物語三篇。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
斎藤 緑雨
1868‐1904。伊勢生まれ。本名・賢(まさる)。明治法律学校中退後、仮名垣魯文の弟子に。批評家・正直正太夫として文壇で認められ、小説と評論の両分野で活躍した。樋口一葉を高く評価したことでも知られる
田村 俊子
1884‐1945。東京・浅草生まれ。本名・佐藤とし。日本女子大学中退後、幸田露伴門下に入る。女優を経て、懸賞小説に当選して文壇デビュー。官能的な表現で男女の相克を描き、大正期を代表する女流作家となった
尾崎 紅葉
1868‐1903。江戸・芝中門前町生まれ。本名・徳太郎。明治文壇の一大勢力となる硯友社を率い、1889年の『二人比丘尼色懺悔』で人気作家に。泉鏡花、徳田秋声など多くの弟子を育てて、日本近代文学の発展に大きな役割を果たした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)