加藤伸吉氏の何処の場所の何時の時代の産物か良くわからない濃厚な絵(強いて言えば西欧中世の木版画風)によって、科学と魔法と呪術が混在する仮想の惑星スタコラで繰り広げられる闘争と冒険が描かれています。
この巻ではキグルミにて小人族に擬態している巨人族、異形の仮面を被った呪師達、怨霊調服用マシン霊亡徒(レイボット)、中央政府の浮揚棺ジャッカル、ノラ(野良)重機、イッカク隊、潜水飛行空母、看守頭の巨人ボッケさん等、ご自身の目でお確かめ頂かないと判らない異界異形の登場人物や造形物が満載です。
囚われの身となった主人公二人、キズと小僧は今回余り出番が無く、チャポン国総長ドクロウの悪の魅力と、その反対勢力で中央政府から脱出を試みるジャコ一派との奇々怪々な追撃戦の描写で占められています。
ストーリーよりもバンドシネ風な強烈な視覚イメージに浸れるか否かで本作の評価が分かれると思います。
私は3回位読んで漸く慣れた様な気が致しました。
連載時のカラー頁をそのまま掲載し、B6版より意識的に数ミリだけ大きくした漫画単行本としては珍しい紐栞付の装丁も洒落ています。
加藤氏の絵 (名前で検索すると他作品の表紙絵を観る事が出来ます) が好みに合う方、強烈なイメージの漫画をお探しの方には大いにお薦めです。