最近面白い漫画がねーなー、って、世の中つまんなくなったなー、って愚痴を吐きつつ、
でも実は内心「本当につまんなくなったのは『大人』になっちゃった自分自身かも」って不安になる。
そんな大人のそんな大人によるそんな大人の為の変化球にして直球「少年漫画」。堂々完結。
作品としてのテーマはとことん一貫していて、要するに「子どもに対して無理してでもカッコ付けれるのが大人」ってこと。
子どもの頃は純粋にヒーローになりたくて、でも年を取るにつれてそんなの無理だってすぐに分かって、
気付けばすっかりスレてしまった読者の分身雨宮夕日くんが、それを十分に理解しながら子ども達にカッコ付け続けることで、
子ども達を、そして自分自身をも救うことができると知るまでの物語。
このテのバトルものとしては珍しい大学生という主人公の設定も、小学生からおっさんジジイまで老若男女の幅広さを持つ獣の騎士団のメンバーも、
考えてもみれば極めて子どもっぽい願望を持つ年下のヒロイン朝日奈さみだれのエキセントリックさも、
全部このテーマのために過不足なく働いて、登場キャラの多さとバトルものの性質にも関わらず十巻とコンパクトにまとめ切った近年稀に見る構成の良さが最大の魅力
徹底して無駄のない構成ゆえか人間関係が狭くまとまり過ぎた嫌いはあるにせよ
現在の漫画連載の形態を思えばちょっと考えられないレベルで作品として完成しているので、
(これは作者水上氏の能力ももちろんながら、アワーズ編集の助力も大きかった模様、その点でも希有)
完結した今こそ読むべき、そして今後も語り継ぐ価値のある作品と信じます。