続いて,著者は情報化社会の到来ということで,情報化社会がどのようにわれわれの生活を変えているかについて述べている。各産業の情報ネットワークの活用の実例として,具体的には,「第二次産業における情報ネットワークの利用」,「金融業における情報ネットワークの利用」,「販売における情報ネットワークの利用」,「インターネットによるオークション」,「教育における情報ネットワークの利用」,「教育内容の情報化」,「情報に関する分野」の教育(とその情報化)などを挙げている。
著者はこの後,この本の最重要テーマである情報倫理,情報危機管理について,知的所有権とプライバシーという形で,情報倫理,情報危機管理の前提となる概念について述べている。まずは,著作権について,そして,著作権以外の知的所有権,プライバシーについて,それらを犯すことの意味,そして,いかに犯されやすい状況にあるかに触れている。
続いて著者は,情報危機管理についても詳述しているが,かなり世上知れた話が多いので省略したい。いずれにしても,著者は,小中高生を対象にしたIT教育の専門家であり,教員(学校のみならず,機業内研修),および教員志望者,初心者の管理者,あるいはインターネットの社会に与えるインパクトに関心を持つ人,企業の管理職についている人で,インターネットの影の部分に関心を持つ人を対象としている。今後,この世代に対する教育の需要性は,ますます増えていこう。「情報危機管理」という概念を提示し,ネットワークを利用した犯罪へのさまざまな対策と後処理についても解説が加えられ,小中学生向けの優れた教科書になっている。しかし,情報化社会の到来の章は不完全燃焼の感じがする。 (テレコム・ネット ITコーディネーター 芦谷 庸二郎)
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