”悼む人”である静人と、余命わずかなその母・巡子、
新聞記者の蒔野、殺人の刑期を終えた倖世。
この4人を中心に物語は進みます。
境遇・個性の全く違う人物が、静人という存在に影響され、
少しずつ変わっていきます。
最初と最後だけをみると、その劇的な変化に驚かされると思います。
何秒かに一人は死んでいくという当たり前の世の中で、
その死をすべて深く心に刻もうとする静人の行為は、
とても尊いことです。
でもそれは第三者だから言えることで、
自分の身内であったらどうでしょうか。
最後まで自問自答しながら読んでいたように思います。
そしてラストは、決して悲しい結末ではないのですが、
違う終わり方もあったのではと思ってしまいました。
やさしいようで突き放したような、
現実的だけどファンタジーのような、そんな作品でした。