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悼む人〈下〉 (文春文庫)
 
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悼む人〈下〉 (文春文庫) [文庫]

天童 荒太
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

商品の説明

第140回(平成20年度下半期) 直木賞受賞

内容(「BOOK」データベースより)

「この方は生前、誰を愛し、誰に愛されたでしょうか?どんなことで感謝されたことがあったでしょうか?」。静人の問いかけは彼を巡る人々を変えていく。家族との確執、死別の葛藤、自らを縛りつける“亡霊”との対決、思いがけぬ愛。そして死の枕辺で、新たな命が…。静かな感動が心に満ちるラスト。

登録情報

  • 文庫: 311ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2011/5/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4167814021
  • ISBN-13: 978-4167814021
  • 発売日: 2011/5/10
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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悼みの意味 2011/5/13
By tn581jp VINE™ メンバー
「悼む人」は何を伝えようとしているのか。まず、彼はどんな身分の人も分け隔てなく「悼む」。そこに、キリスト教と共通する思想を感じる。死は誰のもとにも共通して訪れるということ。また、キリストは悪人だろうが貧しかろうが自分を信じる者を差別せずに救った。作者が伝えたいことはそのあたりにあるのではないだろうか。彼の「悼み」により、どんな死者も一種のかけがえのない存在として彼の胸に刻まれる。と同時に、死者はその生の意味を肯定され、この世で意味を持っていた存在として昇華されるのではなかろうか。
 私たちは普段、自分たちの中のものさし(善悪の基準)で物事を判断する。死に対してもそうである。ある死者は非難され、別の死者はほめたたえられる。それがどれだけ傲慢な行為なのか、「悼む人」はその行動で示す。前述したように、そこには差別がない。キリスト教との一致も、書いたとおりである。読み進めるうちに、死者を本当の意味で裁けるのは、神だけなのではないか…そんな思いが浮かんでくる。
 彼の「悼み」は、最初は単なる自己満足としか思えない。確かにそれはそうなのだが、彼の行動は確実に関わる人を変えていく。あるフリーライターは視点を変えてものを書くようになり、彼の同行者の女性も自分の気持ちの変化に気がつく。彼の「悼み」が、周りの人に死を意識させ、それについて深く考えさせるきっかけになるのなら、そのふるまいにもプラスの意味を見出せる。
 世の中にいろいろな宗教があるように、「悼み」にも様々な形があるだろう。この本に示されているのは、その一つのあり方にすぎない。しかし、普通の人が避けがちな「死」を真正面から見すえ、読後に死について考えるヒントを与えてくれる小説として、この本は見事にその役目を果たしている。
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「生きるということは、今生きている、という事実だけをいうのだろうか。 生きて死ぬことの先にあるものは、誰かの記憶の中に生き続けるということではないのか。」(『茨の木』)

あんなに泣いたのに、それでも逝ってしまった大事な人々をふと忘れたりして、罪悪感に苛まれることがある。苦しくはちきれんばかりまで膨らんだそんな罪悪感に追われるように、主人公静人は悼む旅を続ける。

余命を宣告された者、愛する者を殺めた者、そして他人の死を生活の糧とする者。彼らが、他人の生を心に刻み続ける静人の足跡を追うように、死と向き合うことで生きることの素晴らしさを見出す。

逝きし人々が心の中で生き続けるという理想を綺麗にまとめた作品ではない。その理想に伴う葛藤が、その理想に対する疑念が、その実現に対する妥協の想いが素直に描かれる。自己満足を自己満足と断じ、偽善を偽善と斬るところにこそ深く考えさせられるものがあった。

理想には理想たる所以がある。それを真剣に追うということは、その全てを手に入れようとすることではなく、削り削って本当に譲れないものだけを研ぎ澄ますことなのだろう。そんな行為の積み重ねこそが「懸命に生きる」ということなのだと問うているようでもあった。
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三人の主体(記者、母親、ある女性)が主人公の「悼む人」をそれぞれの視点で見つめ続けます。

この三人が、自分自身の境遇や状態の変化と連動しながら、主人公とのダイアログを通して、主人公に対する見方や眼差しを少しずつ変えながら、いくつかの問いかけを発信し続けます。

これは私の直感なのですが、読者がいだくであろう様々な問いかけに対して、この小説には丁寧な解答が用意されているはずです。これらの問いかけは読者によって異なるものかもしれません。物語のテーマの重みとは異なり、読み進む作業は楽しい作業です。ただ、暗い気持ちの時に読まない方がいいと思います。

私に問いかけられた4つの答え(問いかけは上巻のレビューをご一読下さい♪

1 人間が生まれ、生きる意義を煎じ詰めるとこの三つのことが残る(企業の存在意義も同じです)
2 彼の人生が「悼み」の行為に「価値観」「かい」を与えたから
3 主人公の人生の道程だから、この問いかけに答えようとすることの方が無駄
4 この答えは内緒です。ぜひ他の方と共有してみたいです♪
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