とりわけ自分の身体となんらかの葛藤状態にある場合、この本は快復への手掛かりになるのではないかと感じた。
現代では食べ物は勿論、高度医療システムの発達で、人間の死や身体の一部分までモノ化されていることを、ひとはいつのまにか受容しつつも、「自由な個人の前提たる所有への欲望」だけはを肥大化させ、その対象には自分の身体も含まれる。
そこで人は、ある種の理想に向けて身体を解釈・分析し、ピアッシングや過食・拒食、危険な性行為、そして究極的には自殺という形で攻撃しているのだ、と本書は述べている。
解決策としては、身体に「ゆるみ」「すきま」、つまり「あそび」を取り戻すことが提案されているが、コンピュータに君臨されている現代では、困難に思われる。とはいえ、現代人は悲鳴をあげるほど自分の身体を攻撃しているのだ、と気づくことには深い意味がある。
つどつど不満や絶望を慰撫してくれる言葉に出会った。これがロングセラーの理由だろうか。