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彼はギリシア悲劇を「アポロ的夢幻」と「ディオニュソス的陶酔」と区別しながら論述しているのだが、
*アポロ=純ギリシアの神で公明と明晰の神
*ディオニュソス=トラキアのデーモン(鬼神)で酒と陶酔の神バッカスのギリシア名…である。
その特徴を述べると、アポロが荘厳な格調ある音楽であるのに対し、ディオニュソスは騒々しい舞踏音楽。
アポロが冷静な自己抑制という特性を持つのに対し、
ディオニュソスは陶酔・狂気といった特性を持つ。
また、アポロの奉仕者はミューズの女神たちであるのに対し、
ディオニュソスの奉仕者はマイナデス(酒神信女)である。
この二柱の神の対照から、ニーチェは第一の主題「音楽の精髄からの
悲劇の誕生」、第二の主題である「悲劇の悲劇的死」を解釈し、
第三の主題としてはワーグナーの楽劇を扱っている。
結局彼は、悲劇の「誕生」「死」「再生」の思想を前面に出しており、
現代の世界に徐々にではあるがディオニュソス的精神がめざめつつある
ということが、我々の心によみがえってくると希望を暗示している。
加えて、ドイツ精神のディオニュソス的根底から、一つの勢力が立ちあらわれてきたのだ。それはソクラテス的文化の根本条件とはなんの共通点もない勢力だ、とも言っている。
ふむふむ…、やたら訳注の多い書物ではあるが、対立概念の建設の仕方
そこから論じる内容が独特だな(超人だ)と銘肝する一冊。
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