ある国を紹介する場合、紹介者のその国に対する個人的好悪が反映されがちであるが、本書はその類の紹介本ではなく、学問的なアルメニア紹介の書となっている。本書では、これまで光をあてられることがなかったアルメニアという小国について、その歴史、文化、隣国との闘争(トルコによるジェノサイドなど)について、詳しくかつ客観的な説明がなされている。本書の素晴らしさは、アルメニアを知らない人に偏った先入観を抱かせず、またすでに既知の読者には、読者が感じている疑問を解き明かす手助けとなるような情報が満載されていることである。