「人生の三分の一は悲しみとともに」あるという、グリーフケア第一人者の指摘は重い。「悲しみとのつきあいかた」としては「弱っている自分を認める勇気」を掲げ、だからこそあえて絶望を「お友だち」と呼び、親しげに近付いてくるそれに身をゆだねてはならないと警告している。
「悲しみへの寄り添いかた」としては「評価しないこと」「口外しないこと」をあげ、「心の叫び声を受け止めることはなまやさしいことではない」と、安易なボランティアの姿勢に釘をさしている。そして、回復とは「大切なものを失う前の状態にもどること」ではなく、「喪失体験を自分のなかで消化して、新しい人生への第一歩を踏み出すこと」だと説く。
優しい穏やかな語り口ながらも、書かれていることは生半可ではなくシビア。宗教的に理解しにくい点もなくはないが、日本人独特の物の感じ方、日本の風土を捉え直しての提言には深く貴重なものが多い。また、亡き人との対面という超自然的現象も、こうした「癒し人」だからこそ説得的に語れることなのだろう。
傷ついている人、立ち直れず絶望している人、そんな人のためになりたいと思っている人。それぞれに読みがいのある一冊だと思う。