この映画は,前半戦,後半戦の2部構成のような作りとなっていて,前半戦が「悲しみ」の物語で,後半戦が,前半戦よりも「もっと悲しい」物語になっているということです。
本作でメガホンを取ったのはウォン・テヨン監督で,本来は詩人を生業としている方です。韓国人は昔から詩を詠むことが好きで,詞の解釈を巡って激論を展開することも珍しくありません。
そういった状況の中で,詩人である本人が書いたシナリオを自身が監督して映像にしたわけですが,何を勘違いしたのか,クォン・サンウssi,イ・ボヨンssi,イ・ボムスssiといったネームバリューのある役者をキャスティングしてしまいました。監督としての力量の無さを役者でカバーして売ろうとしたのかも知れませんが,こんな有名どころの役者を使ったラヴストーリーは,ベテラン監督でも困難な作業なのですから,むしろ人気役者を使わない方が無難ではなかったかと思います。
映画は,前半戦の「悲しみ」部分は後半戦の伏線のような設定で単純に流れるだけですが,物語が反転する後半戦の「もっと悲しい」部分になると,いろんな真実が明らかになってきて,韓流王道を行く展開に,もう涙なしでは見られない状態になると思います。
ということで,前半は三ツ星,後半は五ツ星,差し引き四ツ星といったところでしょうか,韓流ファンは必見,それ以外の方はそれなりにといった作品です。
劇中,流石詩人と思わせる一コマに“時計の演出”がありますが,これは見事でした。