世界中で大ベスト・セラーになった、F・サガンの小説が原作。
ヒロインのセシールを演じた、ジーン・セバーグのみずみずしい魅力が輝いている映画。
「セシル・カット」という髪型が大流行した以外にも、セシールのリゾート・ファッションは、今でもお洒落の手本で女性誌に取り上げられる事が多い。劇中のドレス、水着、別荘のインテリアが見ていて楽しかった。
映画の舞台は南仏、きらめく陽光と紺碧の海が美しく、どこまでもまぶしい。
そのまぶしさに負けないくらい、美しく輝いていたのは、当時19歳のジーン・セバーグ「勝手にしやがれ」。
セバーグが、後に若くして不幸な最期を遂げる運命の残酷さを知っているからこそ、刹那的な美しさを感じてしまう。
プレイボーイの父(D・ニーヴン)、デザイナーの美しい大人の女性アンヌ(D・カー)、父の若い愛人エルザ(M・ドモンジョ)の三角関係をめぐり、セシールの心が揺れ動く。
多感な思春期の少女・セシールの、父の婚約者に対する嫉妬、父と二人だけの自由な生活を奪われた事への怒りが憎悪を生み、復讐を計画していく心理過程は理解しやすかった。
セシールの若さゆえの残酷さと父の性分が、「悲しみよ、こんにちは」へつながっていく。
主要登場人物の中では、フランス人はM・ドモンジョだけ。
映画化権の関係で英語圏の俳優達が起用されているようだが、もしフランス映画だったら、どんな作品になったのかは興味を抱いてしまう。
現在のシーンはモノクロ、回想シーンの1年前の夏はカラーで表現され、セシールの心模様とリンクしているように感じた。現在と過去は、常にカットバック形式で展開していく。
DVDの画質はきれい。
タイトル・デザインは、「めまい」「サイコ」など多くの名画のタイトル・デザインを手掛けたソウル・バス。
J・グレコが劇中、主題歌を歌っている。