スサンネ・ビアの作品を続けてみて、この作品にはとても多くの共感を得ました。
単純に、人生の喪失感とその再生、だけを描いているのではなく、
人間として生きるべき「善いことは受け入れる」という普遍的なメッセージも込められているからです。
それが、過去の作品より際立っている。
アメリカで撮影し、キャストもアメリカ人がほとんどなので、
そういう直接的なメッセージの演出を選択したからもしれませんが。
しかし・・・
いつもながら、彼女の監督作に出演する俳優は、みんな素晴らしい演技をしますね。
「アフター・ウェディング」の抑制の効いた4人のキャラクターから一転、
「悲しみが乾くまで」はヘロイン中毒(実際には見たことがないですが)でイってしまっているベニチオ・デル・トロ、
夫を失うハル・ベリー。
今までと同じなのは目のクロースアップが多いことですが、その目の雄弁さ。
寡黙でありながらも悲しみを「気丈さ」で覆い隠しているハル・ベリーの演技も秀逸です。
本当に、一歩間違えば退屈で陳腐な映画になる題材を、
スサンネ・ベア監督は、素晴らしい手腕で傑作にしてしまう。
誰もが経験し、一度は通る感情の悲喜こもごもを、これほど2時間弱で表現するのは賞賛に値します。
誰にでもお勧めしたい作品です。