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悲しきアンコール・ワット (集英社新書)
 
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悲しきアンコール・ワット (集英社新書) [新書]

三留 理男
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

アンコール遺跡群の盗掘と密売をレポート!アンコール遺跡群が危機に瀕している。組織的盗掘と密売の実態を独自に取材してきた日本唯一のジャーナリストが、世界遺産が直面する惨状を、豊富な現地写真とともに生々しくレポートした問題作。

内容(「BOOK」データベースより)

ロダン、マルロー、三島由紀夫といった大物芸術家たちに愛されたアンコール遺跡群は、組織的盗掘と国境を越えた密売ルートによって日常的に切り崩されている。カンボジアでは、クメール文化の切り売りは、いまや一つの「産業」となっているのだ!長年、カンボジア取材を続けてきた報道写真家の著者は、十年以上にわたってアンコール遺跡の盗掘と密売を独自に取材してきた、日本で唯一のジャーナリストだ。本書は、世界遺産が直面する惨状を、豊富な現地写真とともに生々しくレポートした問題作である。

登録情報

  • 新書: 224ページ
  • 出版社: 集英社 (2004/8/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4087202569
  • ISBN-13: 978-4087202564
  • 発売日: 2004/8/17
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 123,228位 (本のベストセラーを見る)
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25 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
アンコールワットについて解説した本はたくさん出ていますが、この本はアンコール美術品の盗掘に焦点を当てている、非常に珍しい本です。

著者は、長くインドシナ半島の紛争を取材してきただけあって、この地域の背景知識が詳しい上、まさに歩いて取材しているので、内容的にも非常に興味深い本です。新書本ですが文章も大変読みやすく、一気に読んでしまいました。日本の大手百貨店のクメール美術品の展示即売会の体当たり取材などは、読んでいて痛快ですらありました。

しかし、そこには貴重な美術品の多くが欧米や日本などのアジアに流出しているという事実があります。
本書を読んでいると、アンコール遺跡の盗掘・密売を防ぐことがいかに難しいかがよくわかり、八方ふさがりの状態にやるせない気持ちになってきました。

この本を読んだ直後に、旅行でアンコールワットを訪れたのですが、ものすごい数の観光客に驚きました。アンコールではここ数年、観光客が急増しているそうで、大勢の観光客が写真を撮るためにあちこちによじ上ったり、遺跡に触ったりしていました。今後は盗掘だけでなく、押し寄せる観光客による遺跡のダメージ対策も考えなければならないのではないかと思いました。

数々の難題を抱える遺跡の保護ですが、まずは、少しでも多くの人が実情を知ることが第一歩だろうと思います。
アンコールワットに行った方・これから行かれる方には、とくに一読をお勧めしたい本です。
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21 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By mfhty トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
 大阪で「大アンコールワット展」をみて、その高度な芸術に深く感じ入った。しかし、その会場には遺跡保存のための募金箱が・・・・。アンコールワットは、戦災と盗掘で崩壊の危機にあるとかつてから言われているが、どのような状況かと興味をひかれ、この本を読んだ。

 著者は、1970〜80年代のカンボジア内戦による難民キャンプの取材をしてきただけに、カンボジアとタイの関係、その国境の状況などに詳しい。その知識と経験をベースに、現地を取材し、この本を書いている。したがって、アンコールワットはポルポト派の資金源として、いわば宝の山であったこと、現在も多くの政府関係者や軍が盗掘に関わっていることを記述するとともに、盗品の多くがタイ経由で世界に売りさばかれていく状況をリアルに記述している。

 単なる文化財保護の本ではなく、インドシナ半島の政治・社会状況を映した本であり、実に興味深く、引き込まれる本である。美術ファンだけでなく、広く読まれるべき名著だと思います。
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41 人中、35人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 衝撃のレポート。国際協力によって保存と修復が進められているクメールの遺跡。しかしその一方で毎日のように盗掘が行われている。確立された闇のルートを通じて、世界中のコレクターのもとへ仏像、女神像、工芸品などの文化財が流出していく。需要があるかぎり供給者は後を絶たない。武装した強盗団、雇われ者の窃盗団が暗躍し、怪しげな古美術商、買収された警察官はもとより、軍人や学者、果ては大臣までが密輸出にからんでいる。愚か者の連鎖。

 筆者三留理男氏の丹念な取材によって浮かび上がる遺跡破壊の実態には背筋が寒くなる。もちろん背景にあるのは貧しさであり(カンボジアはアジアの最貧国)、祖先の遺してくれた遺産への無理解であり、一攫千金をたくらむ欲望である。そして盗品を欲しがるコレクターたち。

 筆者はカンボジアの歴史から説きおこし、ベトナム戦争や内戦のどさくさによる遺跡破壊を経て現在に至るまでをていねいにたどる。悲しいのは解決の糸口が見えてこないこと。法を整備しても効力がないのだ。読みやすく分かりやすい文章なので一気に読んでしまったが、読み終えて暗澹たる気持になった。破壊を防ぐ国際協力はできないものか。

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