『愛の陰影』の続編です。
悪魔公爵ことエイヴォン公の息子ドミニクは、父から傲慢と冷酷さを、母から美貌と思い切りのよさを受け継いでいます。つまり、阻むもののない、メチャクチャさ。やることなすこと、半端なし。とうとう父から英国を出るように言われてしまいます。しかし、独りで出国する気のないドミニクは、軽薄美人のソフィーを旅のお供に誘います。それを阻止しようとする、ソフィーの姉のメアリー。この姉は、清廉な淑女で、しっかりもので…。さてさて、諸事情あいまって、二人で仏国を舞台に繰り広げられる物語です。
注目は、会話。
ジョージェット・ヘイヤーの語り口は独特なのですが、その中でもドミニクとメアリーのセリフは、軽快で無駄がなく、楽しい!物語の前半で、ドミニクがメアリーに銃で撃たれるシーンがあるのですが、ここでの会話をじっくり楽しんでいただきたいです。「そうそう、これこれ!これがジョージェット・ヘイヤーなのよ!」緊迫したシーンから一転して、場面を落ち着かせるセリフに、思わずにんまり。すばらしいです。
「全女性(いや、男性も、なのかな?)の敵」とも言えるようなドミニクが、「愛さずにはいられない」ヒーローに変わっていく、これは成長の物語でもあります。「けだるげで危険な」ドミニクが、しだいに必死の顔になっていく…その様子がたまりません。いやあ、かわええなあー。ええなあーヽ(='▽`=)ノ
読み返せば読み返すほどに味わいが増してきます。ぜひ、おすすめしたいです。