悪魔の本は沢山あり、それぞれが独自の編集方針で以て「棲み分け」をしているようです。悪魔関係の本を何冊か持っている私にも、本書は購入した価値がありました。
まず、本書は文字通り「事典」で、いわゆるヨーロッパの悪魔に限らず、世界各地の神や精霊、妖怪、更にはクトゥルー神話やコミックまで網羅しています。個人的には日本の悪霊や鬼、デビルマンは流石に要らないと思いましたが、読者の最小公倍数のニーズに応えようとしているのでしょうか。項目当たりの文章量は、悪魔をイメージするのに最小限です。
また、事典として引きやすいです。名前順の他、地域順(ヨーロッパは出典順)、そして悪魔の別名からも引けるようになっています。
悪魔関係の本としては他にも「堕天使 ― 悪魔たちのプロフィール Truth In Fantasy」なら個々の解説が詳しいし(ただし、ギリシャの神々なども載っている)、「幻想世界の住人たち(2) Truth In Fantasy」は悪魔だけの本ではないけど(だから悪魔の為だけに買っちゃダメ)、悪魔の項目についての解説は魅力的でした。本書はそう言った本と相互補完する分には価値があります。ちなみに、これより項目数が多い本もあったと思います。(買わなかったので忘れました。ゴメンナサイ。)
逆に、この一冊だけでは内容が浅すぎて物足りないのも事実です。また、狭い意味での(つまりヨーロッパの)悪魔以外に興味が無い人には不満でしょう。私は悪魔以外にも興味があるので、本書がロシア民謡やオセアニアの精霊まで載っている、(唯一ではないが)貴重な本だったのは、とても有り難かったのですが。
結論として、本書の購入を検討している人は、レビューなどで他の本と比較した上で、あなたのニーズに合っているか考えてください。
それから、私はファンタジーを広く好きなだけで、悪魔に精通している訳ではないので、申し訳ないのですが、本書の内容の正確さについてはよく解りません。