思わず喜びの叫びを挙げてしまいました。他のレビュアーの方によると、ニューマスター版ではないそうですが、安価なのでこの際OK。というか筆者は遥か昔のVHS版の画像ポヤポヤのソフトしか持っていないので、充分嬉しいのであります。しかも『怪獣ゴルゴ』『猿人ジョー・ヤング』『獣人ゴリラ男』が同時発売・・・全く困った!この愛しくも罪深き映画たちよ!
本作『悪魔の植物人間』は、ドナルド・プレザンス演じるマッドサイエンティストが、人体実験で人間を食虫植物と合成した怪人にしてしまうビザールなホラー映画。マッドサイエンティストが、サーカスの畸形人間を利用して人体実験のために人々を誘拐させるのですが、本作は「フリークスが大勢登場する映画」としても、一部のマニアに知られています。どんなフリークスが登場するのか、は一家言ある方がいずれレビューを書かれると思うので、お譲りします。ぜひそちらをご参考に(笑)。
実はこの映画、筆者が小学生の頃にテレビで観ては怯えていた少年時代の「トラウマ映画」の一本。ちなみに子供のころ怖くてしょうがなかったトラウマ映画や番組に、『ザ・カー』や『スペース1999(1stシーズン)』の第23話「宇宙墓場の怪獣現る!」があります。今挙げた作品は、どれもテレビで観ている最中に怖くて途中で消してしまったり、部屋から逃げ出してしまったりしたものですが、本作では、植物人間が浮浪者を襲って食べてしまうシーンが怖くて、イスの陰に隠れて震えながら観ているところを母親に発見されて「あんた、何やってんの?」と笑われてしまった屈辱的な過去があります。そんなに怖けりゃ観なきゃいいのに・・・いや、子供の頃はホントに怖がりだったのです。
監督は、何とあの映画史に燦然と輝く名作『赤い靴』で撮影監督を務めた、ジャック・カーディフ。まっとうな映画ファンなら、「なぜ?」と思ってしまうくらいの落差がある奇っ怪なB級ホラーですが、実は一流のカメラマンほど、ジャンルや、A級・B級といった括りに対する偏見を持っていないのです。あのネストール・アルメンドロスも、ロジャー・コーマンと仕事をして、ヨーロッパの監督にはない早撮りのテクニックとノウハウに感銘を受け、エリック・ロメールをはじめとするヌーベルヴァーグの監督たちの現場でそのノウハウを生かし、「コーマンの映画術は、私を介してヌーベルヴァーグにも影響を与えた」と誇らしげに語っています。
カーディフもしかり。「テクニカラーの父」とまで呼ばれながら、アクション映画やニューシネマ風ラブロマンスなど、ジャンルに捉われずに映画を撮り続け、『ランボー2』の撮影監督まで務めて、頭の固い映画評論家たちをビックリさせた、というエピソードもあります。
まさに、この全身好奇心、飽くなきクリエイティブ・スピリッツのチャレンジ精神で創られたカーディフの『悪魔の植物人間』は、一流映画人が、ビザールな味わいたっぷりに撮った、愛すべきB級怪奇映画なのです。
今から、このパッケージが家に届く日が楽しみであります!
【追記】廉価版シリーズなのに、突然このソフトだけ値段が高くなってしまった・・・なぜ!?