日常生活の中に悪魔崇拝が影のように忍び込んでくるという設定、夫が悪魔と取引をしたのではないかと若妻が疑心暗鬼になっていく心理サスペンスなど、明らかに「ローズマリーの赤ちゃん」を意識して製作されたのではと思われる。ポランスキーのようなじわじわ(ネチネチ?)と怖さを増す神経症的ホラーではないものの、こちらは捻りが効いたストーリーでなかなか面白い作品となっています。
私は、「エクソシスト」をはじめとするオカルト映画、「悪魔のはらわた」、「悪魔のいけにえ」などのスプラッター(当時はまだそんな言葉はなかったように思いますが・・・)ブームの頃にテレビで見たのですが、派手なメイクアップなどで”そのもの”を見せることのないところにひどく物足りなく感じたことを覚えています。ただ、今観るとその奥ゆかしい演出が実に味わいがあって良いです。強風に煽られる窓、蝋燭の炎、石膏のデスマスク、額の青い印、ドーベルマン犬、仮装パーティでの人面犬などなど小道具を駆使して恐怖ムードを盛り上げています。ベルリオーズの「幻想交響曲」をモチーフ(キューブリックの「シャイニング」より早い!)にしたジェリー・ゴールドスミスの音楽がまた効果倍増!時に「サイコ」のような弦の響きなど全編が恐怖映画の音楽のお手本のよう。原題にあるリストの「メフィストワルツ」も効果的に使われています。ラストは、愛する男を自分のものにする女の執念のような怖さも感じますが、これで彼女の望みは果たせたのかな?と疑問も。だって魂は・・・なわけでしょ。
ジャクリーン・ビセットは「シークレット」と同時期で個人的には一番、美しいとき(若々しい!)だと思います。世間的には、ディープ〜世界崩壊あたりがスターとしてのピークなのかもしれませんが。本作では恐怖に慄く子持ちの若妻を好演しています。(そういえば「シークレット」も女の子の母親でしたね。)ラストのバスタブのシーンとは別にチラリとヌードもあり!テレビではカットされていたシーンなので初めて見た。あとポスターのデザインにもなっている床に書いた魔法陣(?)の前に彼女が半裸でひざまずくシーンが凄くエロチック!!DVDのジャケットもこの図柄を採用して欲しかったです。日本語吹き替え(鈴木弘子さん?武藤礼子さん?)も嬉しいです。