にわかには信じられないほどの名盤。
ユニバーサル移籍後の2枚(STARTING OVER,昇れる太陽)の流れをシングル曲で汲みつつ、アルバム曲では東芝EMI時代の good morningから「俺の道、扉、風」の3部作を彷彿とさせる。
1枚のアルバムの中にそれらが同居しているのだからすごい。
1曲目はプロデューサーと組んだキャッチーな曲だが、moonlight magic(『月』)である。
これは今作が、前作「sky is blue」や前々作「今はここが真ん中さ!」で幕を開けたもの(つまり『太陽や光』)とは一味違うぜ、という意気込みがストレートに感じられる。
愁いを帯びたどしょっぱつの声にやられる「九月の雨」
歌詞は宮本さんのテーマがリフレインして随所に垣間見える。
それが1曲に凝縮された「旅」は感涙ものだ。
悪魔のささやきとはなんなのだろうか。
メジャーで大衆的な曲やパフォーマンスをしてればいいんだよ、という商業的な圧力か。
それとも逆にアンダーグラウンドな、破壊的な、孤独な作品をやりたいんだ!という宮本さんの内なる声が“悪魔のささやき”なのかもしれない。
きっと彼は自らを幾重にもメタ認知、客観的に見ている人だろうから、このタイトルはダブルミーニングなのだと思う。