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貸本版の『悪魔くん』は長編として構想されましたが、売り上げが思わしくなく、出版元
の意向であわただしく終了してしまいました。そういった経緯もあり、本書は貸本版の話
を踏襲しつつも、未消化におわった部分(十二使徒など)を拡大するなど、完全版として
の意味合いがつよくなっています。
本書の原案は作者が経済的に困窮していた時期に構想されました。いくら原稿を描いても
生活はゆたかにならない。作者は世の中の不条理にたいし、悪魔くんこと、松下一郎少年
に「万人が兄弟となる王国を実現する」という夢を託します(このあたりは「コケカキイ
キイ」につうじるところがあります)。
マガジン版の悪魔くんも快作ですが、本書はそれに勝るとも劣らぬ名作です。むしろメッ
セージ性という点では本書の方が優っているように思います。
第一使徒 蛙男
第二使徒 ふくろう女
第三使徒 ヤモリビト
第四使徒 占い杖
第五使徒 悪魔
第六使徒 家獣
第七使徒 別荘番
第八使徒 別荘番の妻
第九使徒 おまわりさん
第十使徒 幽霊
第十一使徒 一郎の父(元太平洋電機社長)
第十二使徒 キリヒト
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