権利上のやむを得ない事情とはいえ、ビートルズの
ヴォーカルが使用できず、他のアーティストが歌う
カバー版に差し替えられてしまったのは残念。
特にレオ・セイヤー歌唱の「LET IT BE」は
アレンジも含めて余りにもオリジナル版と雰囲気が違うので
やはりどうしても違和感がある。
とはいえ、メーカー側の事情での変更を嘆いてばかりいても
仕方無い。むしろビートルズの版権がらみでDVD化が難しかった
この作品を、裏技を使ってでもリリースにこぎ付けてくれた
労力自体は買いたいと思う。
特典にはカラー8ページのライナーノートが付いており、
2003年12月に取材した篠田正浩監督のインタビュー記事が
掲載されている。『悪霊島』のロケハンの思い出なども含め、
なかなか興味深い話を披露している。
映像特典には特報と、スタッフ&キャストのプロフィール。
予告編は全編ベタに「LET IT BE」のヴォーカルが流れているので
こちらは収録できなかったのだろう。
静止画によるプロフィールは文字が小さく、やや読みづらい。
また本編で驚いたのは、その「LET IT BE」が流れるラスト近く。
今回のDVDのために、わざわざ字幕で歌詞の対訳が入れられている。
この字幕は消す事ができない状態で、しかも人物の顔などにかかる
画面の右側に割と大きな書体で入ってくるので、せっかくの静かな
ラストの余韻が興ざめに……。
監督の意向で追加したのか、はたまたメーカーの判断で入れたのか、
どちらかは判らないが、劇場公開時には意図して対訳字幕を
入れなかったはずなのに、これはちょっと余計な処理だったと思う。
それにしてもこの映画の主要キャスト、古尾谷雅人、佐分利信、
室田日出男、伊丹十三などが揃って故人。70年代から続いた横溝
ブームの中では最後の金田一映画だったという点も含めて
観ていると色々な感慨に捕らわれる作品だ。