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悪霊の島 下
 
 

悪霊の島 下 [単行本]

スティーヴン・キング , 白石 朗
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

エドガーの絵は美術シーンに衝撃をもたらし、個展を開くことが決定した。それはエドガーの新たな人生の幕開けであり、崩壊していた家族との和解の場であり、最高の栄誉の瞬間であり―彼と彼の愛する者たちにとって最後の平穏な夜となった。ついに物語は臨界に達する。そっと時を待っていた死と破滅と邪悪が猛威をふるう。溺れ死んだ双子。黒い闇に沈む船。人形。赤いバスケット。そして邪悪なる“パーシー”。愛する者に迫る死を防がねばならない。邪悪なるものを斃さねばならない。これぞモダン・ホラー。これぞスティーヴン・キング。悲しみに満ちた浄化を描くラストへ突進する最新超大作。

登録情報

  • 単行本: 479ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2009/9/12)
  • ISBN-10: 4163285105
  • ISBN-13: 978-4163285108
  • 発売日: 2009/9/12
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 3.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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22 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
このごろのキングは「セル」以外、私たちを怖がらせてはくれなかった。
上巻は予感に満ちているけれど、下巻を読み終えた今となっては、「めっちゃ」伏線が張り巡らされていた、というのが今の感想だ。読み終わって時間が経ってみると、平和なシーンがまた素晴らしい。主人口の独白の章、あれは何度読んでも素晴らしいし、キングをについてもっと知ることが出来る章でもあった。
前半の展開から、このままのんびりと終わるのかと思っていた。ところが、下巻の百数十ページ目から突如怪奇現象が起こりはじめたのだ。
私は遅読だが、下巻は二日で読み終えてしまった。上巻は六日も掛かったというのに。
私は邦訳されたキングの全作品を読んできたが、こんなに震えあがった作品ははじめてた。
「シャイニング」「ペット・セマタリー」をも越えた、圧倒的恐怖だった。
ホラー通でもある私は、長篇ホラーで震え上がったことはなかった(例外はジョー・ヒルの「ハートシェイプト・ボックス」と、ピーター・ストラウブの「ゴースト・ストーリー」)。
震えるのは短篇だけだと思っていたわけだ。しかし「悪霊の島」は怖い!
キングが原点に立ち返ったのだと、ストレートに感じることができた。
ここのところ私はキングの作品の質が落ちてきている(とはいえ、肩すかしを食らったことは一度もない)というか、勢いがないように感じていたけれど、KING OF HORROR(恐怖の帝王、あるいは恐怖のキング)が堂々と帰還したことを証明している。
日本においてクーンツよりも人気が下がってしまったような気もするキングだが、本書で(あるいは、文庫化されたときに)その立場が逆転することを願う。しかも近頃のキングは文学的な素晴らしさも備えてきているので、日本でもっと高く評価されてもいいように思う。とはいえ、「文学的」になっているだけで、そこはキング、エンタテイメント性も忘れていない。
本作からは、むかしみたいな、正面から我々に立ち向かってくるキングの姿が見えるような気がする。
なお、嬉しいオマケとして、クレムゾンキングとおぼしき姿の怪物が言及される。ファンには嬉しいことである。
最近落ち込み気味であったキングだが、この一作で「ホラー作家、キングは健在だ!」とあらためて感じた。おそらく全世界のファンもそうだったのではあるまいか。
勘違いされると困るので記しておくが、キングがホラー作家でなくなり、(ありえないけれど)たとえ純文学作家になってしまっても、私はキングのファンであり続けるだろう。
なにせ、私はキング中毒でなくなりかけていたが、今作でまたキング中毒になった。本書を読むまでは毎月一回、キング作品を読み返す程度の症状だったが、どうやら二週間に1回になりそうだ!
それくらい、本書は最高だ!
すぐにもう一度、本書を読み返そうと思う。
世界最高の作家、スティーヴン・キング。私は一生彼の作品を読み続けたいと思う。彼のせいで色々なものが怖くなった。私はキングのホラー長篇で、まだ私は無事だ。あまりの怖さに狂ってしまう日が来るかもしれないが、とりあえず今のところはキングのお陰で愉しい時間を過ごしている。まだ、いまのところは。
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By アイク トップ500レビュアー
形式:単行本
実は御大キング師匠の作品は久しぶり。昔は徹夜してでもガンガン読めたんですけどね…。

キングと言えば言わずと知れた「モダン・ホラー」の帝王ですが、ではそもそもモダン・ホラーって何なんでしょ?
一説には「モダン・ホラーとは怖くないホラーである」なんて意見もあるようですが、個人的にはそれもあながち的外れとも言えない気がします。
ホラーとしてのお約束・舞台設定の枠を超えた「エンタティメント志向の強いホラー」がモダン・ホラーなのかなとも思います。
本作にしても個人的には「怖い」というよりはやはり「面白い」という感想が先に来ます。

本作、ホラーとしての骨格はあっけないほどシンプル。
「強大なパワーを持つ邪悪な超自然の力に翻弄される弱き人間たちのドラマ」でありキングにとっては正に十八番ともいえる内容。
このボリュームには怯みますが、御大キングのすごさはやはりディテールにあり。
本書も良く考えてみれば相当に「変な話」なのですが、みっちりと描写される主人公の心情や内面、
細かいエピソードの数々がデタラメな物語を徹底的に補強しており、唯のほら話では終わらせないリアリティを生み出しております。

特に本作では「絵画と絵をかく行為」が大きな要素となっており、ビジュアルに訴える力も相当なもの。
それともう一つは舞台となるデュマ・キーの描写。メキシコ湾に面した陽光降り注ぐ楽園の風景が「邪悪な意思を持つ存在」の息吹によって反転するインパクトのある描写も
やはり読み手に対してビジュアルを強く想起させて刺激的です。
それにしてもこんなお話、どこから引っ張り出してくるんでしょうねぇ?

細々としたディテールを積み重ねながら後半に向かってちゃんと大きな流れを描き出す様といい、ドライブを利かせて読者にページを繰らせる手を休ませない手腕もさすがです。
ただ、果たして昨今の映画などに見られるような「身もふたもないホラー」に馴染んでいるお子様たちにはこの面白さが分かるんでしょうかね?

主人公であるエドガーの愛する者を失うことの恐怖・悲しみはある程度の年齢を重ねた読者なら一層、胸に迫るものがある気もします。
ただ本書が決して陰鬱になっていないのはクライマックスに向けての地獄めぐりにはワイヤマンとジャックという「仲間」がそばにいてくれるからでもあります。
この友情も心に中々沁みます。

御大キングの「円熟」を強く印象付けられた作品でした。
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5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By いせむし トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
なかなか正体をあらわさない怪異がいよいよ具体性を帯びてくる下巻。
最後に朽ち果てたイーストレイクの屋敷に乗り込み、
パーシーと対決するクライマックスは一気に読ませてくれます。

実は下巻の冒頭部分で、
家族や友人を殺される悲劇を主人公はさらっと告白しています。
普通の作家であれば、ストーリーを先に劇中で語ったりしません。
告白自体が物語の悲劇性を予感させ、エドガーの諦観を伝えます。

下巻では、
デュマ・キーの異常な容貌が姿を現し、
青鷺、茂るジャングルなど、恐怖を暗示するアイテムが登場します。
その雰囲気と島およびイーストレイク一族の歴史を重ねあわせると、
恐怖というより怪奇という言葉がぴったりきます。
モダンホラーというよりもゴシック小説の趣。

キングと言えば、
ゴシック小説の定番であった「幽霊ホテル」や「吸血鬼」を、
モダンホラーという形式で再構成したことにより、
新しい時代を切り開いた作家です。
「骨の袋」に続いてゴシックテイストな作品であったことが、
キングの新しい傾向なのかなと感じました。
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