このレビューをお読みの方に、セーガンについて語ること自体意味はないだろうが、
彼のブレず恐れない正論、時代の空気に合わせて宥和的になるのではなく、
どうせ無理だと諦めそうになる人々の希望をつないできたこと。
その姿勢こそ受け継がなければならないのだと改めて思う。
そして、この素晴らしき、話のくどさ。
いくら言っても、どれほど現代社会に正論が届かないか、
それを彼は、言葉をつないで、ほぐしてほぐして立ち向かう。
刻み続ける彼の言葉のリズム。
彼の晩年のテーマである、科学と人間の問題は、
何か新しいことを語ろうというのではなく、
当たり前のように思っている科学的根拠の正統性が、
実に狭い世界の常識であることに気づいたからこそ、その外部に向かって語ろうとした
彼らしい、実に彼らしい誠実さに基づく。
わかる人間だけ着いて来い、といわんばかりの、
例えば養老某的な独善とは違うこの言葉。
これを読む人は、ぜひ彼の意志を継いでほしい。