本編と同時進行する過去の物語にすっかりひきこまれ、事件との関わりを考えては首をひねり、至福の時間を過ごしました。
理屈ではなく感性で楽しむタイプの方にお勧めしたいミステリです。
ゴシックロマン『屋根裏部屋の花たち』(V・C・アンドリュース)がお好きな方ならもうツボでしょう!
原作からのタイトル変更は、事件の根源にスポットライトをあてようとした訳者の試みでしょうか?
個人的には分かりやすくて好き(笑)。もちろん原題のままでも。
後から考えると不要と思われるかもしれないサイドストーリーにも「伏線か?」と引き回されますが、楽しい苦労でした。
強いて言えば育児のグチはもう勘弁して…次作ではエリカの妹アンナの顛末が語られる筈、待ち遠しい限りですが、
「もう少しハードボイルドな北欧ミステリの最新作は?」という向きには『
黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)』(ヨハン・テオリン著)などいかがでしょう。
退屈な作品が横行する昨今、貴重なストーリーテラーである作者に期待しています。