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悪童日記 (ハヤカワepi文庫) 文庫 – 2001/5

5つ星のうち 4.6 98件のカスタマーレビュー

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商品の説明

商品説明

ハンガリー生まれのアゴタ・クリストフは幼少期を第二次大戦の戦禍の中で過ごし、1956年には社会主義国家となった母国を捨てて西側に亡命している。生い立ちがヨーロッパ現代史そのものを体現している女性である。彼女の処女小説である本作品も、ひとまずは東欧の現代史に照らして読めるが、全体のテイストは歴史小説というよりはむしろエンターテインメント性の強い「寓話」に近い。
そもそもこの小説には人名や地名はおろか、固有名詞はいっさい登場しない。語り手は双子の兄弟「ぼくら」である。戦禍を逃れ、祖母に預けられた「ぼくら」は、孤立無援の状況の中で、生き抜くための術を一から習得し、独学で教育を身につけ、そして目に映った事実のみを「日記」に記していく。彼等の壮絶なサバイバル日記がこの小説なのである。肉親の死に直面しても動じることなく、時には殺人をも犯すこの兄弟はまさに怪物であるが、少年から「少年らしさ」の一切を削ぎ落とすことで、作者は極めて純度の高い人間性のエッセンスを抽出することに成功している。彼らの目を通して、余計な情報を極力排し、朴訥(ぼくとつ)な言葉で書かれた描写は、戦争のもたらす狂気の本質を強く露呈する。
凝りに凝ったスタイル、それでいて読みやすく、先の見えない展開、さらに奥底にはヨーロッパの歴史の重みをうかがわせる、と実に多彩な悦びを与えてくれる作品である。続編の『証拠』『第三の嘘』も本作に劣らない傑作である。(三木秀則)

内容(「BOOK」データベースより)

戦争が激しさを増し、双子の「ぼくら」は、小さな町に住むおばあちゃんのもとへ疎開した。その日から、ぼくらの過酷な日々が始まった。人間の醜さや哀しさ、世の不条理―非情な現実を目にするたびに、ぼくらはそれを克明に日記にしるす。戦争が暗い影を落とすなか、ぼくらはしたたかに生き抜いていく。人間の真実をえぐる圧倒的筆力で読書界に感動の嵐を巻き起こした、ハンガリー生まれの女性亡命作家の衝撃の処女作。

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登録情報

  • 文庫: 301ページ
  • 出版社: 早川書房 (2001/05)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4151200029
  • ISBN-13: 978-4151200021
  • 発売日: 2001/05
  • 商品パッケージの寸法: 15.6 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6 98件のカスタマーレビュー
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カスタマーレビュー

トップカスタマーレビュー

形式: 文庫
なんにも知らずに、本屋さんにたくさんあって、それで読みました。
そういえば、この本よく見るよね、くらいの認識でした。

そういう予備知識を与えられないままに読めて幸せでした。

切り詰めた短文が重ねられ、文庫本で3,4ページのいわば寸劇のような
掌編小説のようなものがずっと並べられて一冊の本になっているのですが、
途中に、現れる、主人公二人のこの「日記」に対する姿勢・語りに
少年に似合わぬ精緻さを感じて圧倒され、事実を客観的に書く姿勢が
そこで示されます。
これから読まれる方のために、中身について書きたくない本ですが、
その姿勢で綴られる数々の出来事は、陰惨とか悲惨とか過酷とか、
そういう抽象的な言葉になるのですが、もちろんそんな言葉は使われません。

あくまでも少年の見た世界とそれについての語りだけで作られる本に、
読後は圧倒されます。

何も知らずに読んだだけに、これからまだまだこの人の本が読めるんだ!
と久々にうれしく思ったのですが、何と2011年7月27日に亡くなったのですね。
3部作といわれる、ふたりの証拠、第三の嘘を早速買いました。
全作品を読みたいと思う作家に出会えました。
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形式: 文庫
淡々と語られる“ぼくら”の戦時下の暮らし。
あまりにも淡々と語られるので、
思わず軽く読み進めてしまう。
しかし、ふとその言葉の裏にあるもの、
彼らを取りまく状況に思いをはせたとき、
語られない凄まじい状況に戦慄する。
辛い、とにかく辛い。そしてそれは終わらない。
子どもらしさなどかけらもない“ぼくら”。
誰が、何が、彼らをそうさせたのか考えると、
この作品に静かに横たわる、
哀しくて虚しい願いに近づける気がした。
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形式: 文庫
『悪童日記』は読みやすい。だが、刺激にみちている。
 文章は、短文の積み重ねで簡潔であり、各章は、文庫本で数ページ以下と極めて短く、子供の日記を思わせる。
 作品の時代は第二次世界大戦末期、舞台はナチス支配下の東欧の田舎町と推定される。
十歳にも満たない双子の兄弟「ぼくら」が都会の爆撃を逃れて、田舎のおばあちゃんの下に疎開する。けちで不潔、粗暴なおばあちゃんとの生活が、「ぼくら」を、抜け目のない、したたかな人間に成長させる。
 この作品には、おばあちゃんの半生記の趣もあり、「ぼくら」とおばあちゃんの関係が変わっていくさまは読みごたえがある。
 この世界には、善意もあれば、悪意もある。優しさも残酷さもある。飢えから、社会体制まで、そこで現実に息をしているものの眼で、彼らの生が描かれる。万引き、脅迫から殺人まで犯罪には事欠かない。戦時下の生活が、タブーなく映し出される。寡聞にして、日本の前大戦の戦時下の生活を描いて、この作品に比肩する作品を知らない。
 ためらいなく暴力が振るわれる過酷な環境の下で、「ぼくら」はどのような生活を送ったか?

「ぼくら、けっして遊ばないんだ」
「そんならあんたたち、一日中何しているの?」
「仕事をするのさ。勉強をするのさ」―― ぼくらの隣人とその娘
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投稿者 ロビーナ トップ50レビュアー 投稿日 2016/2/2
形式: 文庫 Amazonで購入
第二次大戦下、強くなることを母に約束して
疎開した双子、「ぼくら」の日記。

心と体を鍛えあげ、強くなる。
どんなに叩かれ、罵倒されても、敵の襲撃にも
飢えや寒さにも、大切な人の喪失にも
動じない人間になる。

そう決めた「ぼくら」は、互いを実験台に
淡々と"感覚を消す練習"を繰り返す。

相手を叩きのめし、刃物で刺し、火を押しつける。
ひととおり終わると、今度は自分がやられる番。
痛みを「人ごと」と感じるようになるまで徹底してやる。

また、わざと罵りあい、残酷な言葉を浴びせあう。
ひどい言葉が耳を通り過ぎるようになるまで続ける。

「ぼくら」はこの、感覚をマヒさせ、残酷になる練習を
まるで楽器のレッスンのように続ける。
身につけた強さとワザをフルに活用して
やられたらやり返し、殺人も辞さない。

死ぬか生きるかの戦時下、
ただ苛酷な現実があって、
大人も子どもも関係なく
生きぬく意志と体力と技術が問われる。

弱い者、鈍い者、あきらめた者から、バタバタと死ぬ。
極限では、親子の
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