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悪徳の栄え〈下〉 (河出文庫)
 
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悪徳の栄え〈下〉 (河出文庫) [文庫]

マルキ・ド サド , 渋澤 龍彦 , マルキ・ド・サド
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 693 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

妹ジュスティーヌとともにパンテモンの修道院で育ったジュリエットは、悪徳の快楽をおぼえ、悪の道へと染まってゆく。パリで同好のさまざまな人物と交わり、イタリアへと逃げおちた彼女は、背徳の行為をくり返し、パリへと帰る…。悪の化身ジュリエットの生涯に託してくり広げられる悪徳と性の幻想はここに極限をきわめ、暗黒の思想家サドの最も危険な書物として知られる傑作幻想綺譚。

登録情報

  • 文庫: 320ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (1990/10)
  • ISBN-10: 430946078X
  • ISBN-13: 978-4309460789
  • 発売日: 1990/10
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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By ワカシム トップ1000レビュアー
形式:文庫
 人生の多くを獄中で過ごしたサドが、珍しく外の自由な世界にいた期間に執筆されたものらしい。
 極悪非道、鬼畜ぶりではさらにパワーアップしていくにもかかわらず、印象は陰惨さよりも、陽気さ、自由と開放といった明るさが薫る。また、冒険譚の様相も呈してくるところだ。
 ときには、あのジュリエットが、柄にもなく「人生を花でいっぱいにしたい」という(すでに血に染まった悪の花でいっぱいですが)女らしいセリフなども飛び出す。
 その反動か、サドも少しはじけすぎたのか、勇み足なところもでてくる。2日弱で3人で1700人も拷問しては殺してしまったという鬼畜の宴はやりすぎ。

 ともあれ、ジュリエットの類まれなる知性が存分に発揮されるのも、この後半であろう。前半では悪党たちの哲学に接し、また学識を持って練り上げ築いてきたジュリエットの哲学が明瞭になってくる。
 途中のローマ法王とのやりとりは必見で、宗教批判だけでなく、歴代ローマ法王のスキャンダルを挙げていく痛烈な批判もあり、もう素晴らしく面白いし痛快である。
 国王相手にその国の情勢や政治についてお説教を下し、痛烈に批判するジュリエット。「このくらいのこと、フランスでは3歳の子でもしっているわよ」は、間違いなく名ゼリフだ。

 ジュリエットは、自分で「哲学者」を自称するだけあって、当時の哲学はもちろん、思想史、歴史、政治、文化、宗教、科学、かなりの知識を備えた破格の才女だという事実は注目に値する。(18世紀であることを考えれば、サドは相当な知識人だったのだろう)

 なお印象的な最後も見逃してはならない。

 本書と対を成す作品『美徳の不幸』の主人公、美徳にいきたジュリエットの妹の、実に悲惨な死に方。一方、ただ悪徳の道を歩んだジュリエットが、約束された未来、希望に満ちた結末にての大団円。なぜか清々しく感じた自分がいる。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ネイ
形式:文庫
前巻で老大臣の不興を買い、パリを追放された女主人公のイタリア紀行がメインになります。このイタリアでもさまざまな悪徳を知り、主人公は良心の種をことごとく潰し、悪女として成長してゆきます。
人間というものはこれほど悪くなれるのでしょうか。
これまでに見た生活のため、損得のため、憎悪のため、等の理由ある悪党がみすぼらしく見えてしまいます。
これまで私が幸せだと感じていたものが、いかにしみったれた貧乏くさいものかがよくわかります。
いろいろな意味で、価値観を変えてくれた物語です。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫|Amazonが確認した購入
澁澤訳「悪徳の栄え」下巻。基本的には、上巻と変わらないが、宗教や道徳の偽善を糾弾するジュリエットの舌鋒いよいよ鋭く、悪に徹する心に隙が出来た人間は悉く姦計によって葬り去られる。これは一種の風刺文学というべきだろう。とにかく出てくる少女は悉く「絶世の美女」で、次から次へとジュリエットやその取り巻きの餌食となる。上巻と同様、知っておくべき性語が若干出てくる。強蔵(つよぞう)=精力の強い男、香箱=女陰、鑓尖(やりさき)=陰茎、腎水=精液、愛液、等々。しかし、これらは江戸期以前にその出典が求められるもので、ヨーロッパ文学である本書の訳語として必ずしも適切ではないかもしれない。わかりやすい訳ではあるが、全体に野暮ったい雰囲気がするのはそのせいだろう。
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