鹿島氏の他の本は大好きですが・・こればっかりは頂けません。なんとなれば、氏は、結婚しない女性は「負け犬」であり、「いい男はみんな結婚している」、という大前提のもとにこの本を書いているからです。なんてありきたりで、流行に媚びた発想でしょうか。ただ氏は、単に、この流行に乗じただけでなく、すべての相談にこの考えをあてはめて、無意味とも思われる計算の数々(いい男はみんな結婚している)を披露して、相談に回答しているのですから、心底そう思っているのでしょう。がっかりしました。卑しくもフランス文学を研究し、『悪女入門』まで書いている人が、こんなつまらないモラリストで無意味な世間体ばかりを気にする人だったとは・・これでは悪女でもなんでもなく、自立できずに世間体を気にして小さくまとまることのみに汲々とし、およそ人生の醍醐味を味わうことのできない女性、といった像しか浮かび上がりません。氏の他の本にも女性蔑視の箇所があり、あれ?と思ったことがあったのですが、この本で決定的となりました。また、別れる際の、効果的な女性の捨て台詞の紹介もびっくりです。氏は、本当にいい女と付き合ったことがないことが良くわかりました。彼の書は、机上の空論に過ぎませんでした。
だからと言って、彼の他の作品が素晴らしいことには変わりないのですが、ひどく汚点を残した一冊でした。