表題からするといわゆる側近による小沢論であるが、秘書と選挙、そしてカネについてこれほど詳細に、しかも実体験そのままに描いた本は、いつくかの例外を除き他に例を見ないと思う。
一介の書生が「歯車になれ」の言葉通りに汗をかき、走り回り、ようやく秘書として認められるまでのストーリー、そしてノルマ達成のための集票・集金のノウハウを編み出し、自らが代議士へとなるまでの下りは、下手なビジネス書よりも泥臭くて説得力がある。この著者は、大物議員相手に当選した栄光と秘書時代の容疑で逮捕という挫折を味わった。二世や官僚あがりの先生方が唱えるこぎれいな言葉とは違って、著者の発する「小沢一郎にはできるだけ近づくまい」という言葉には重みがある。