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悪人列伝―近世篇 (文春文庫)
 
 

悪人列伝―近世篇 (文春文庫) [文庫]

海音寺 潮五郎
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

この巻に登場するのは、日野富子、松永久秀、陶晴賢、宇喜多直家、松平忠直、徳川綱吉の六人。いずれ劣らぬ“悪人”たちだが、晴賢、久秀のように悪逆無道の限りを尽くした武将もいれば、綱吉のように賢く気性もすぐれていながら、五代将軍となったが故に、後世の誹りを受けることになった人もいるのである。天下納得の六悪人参上。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

海音寺 潮五郎
明治34(1901)年、鹿児島県に生れる。国学院大学を卒業後、指宿や京都で中学校教師を務めるかたわら創作にはげむ。「サンデー毎日」大衆文芸賞受賞を機に、執筆生活に入る。昭和11年、『天正女合戦』で第3回直木賞を受賞し、文名を不動のものとした。和漢の書にあまねく通じ、綿密な時代考証の上に、独自の史観を展開し、小説に随筆に新たな領域を拓き、多くの著作を残した。昭和52年12月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 285ページ
  • 出版社: 文藝春秋; 新装版 (2007/1/10)
  • ISBN-10: 4167135507
  • ISBN-13: 978-4167135508
  • 発売日: 2007/1/10
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 如那傘如臼太 トップ500レビュアー
形式:文庫
日本史上の悪人たちに焦点を当てた、珠玉の史伝集です。
この巻は近世編で、「日野富子」「徳川綱吉」といった有名人から、
「宇喜多直家」「陶晴賢」など知名度の低い人物までが扱われています。
史伝の短編集なので、どの人物に関する頁もさらっとした記述に徹していますが、
それでも物足りなさはなく、歴史人物の人物像が鮮やかに描かれています。
史学の定説とされる事実を列挙するのみならず、海音寺氏の史実に対する意見も満載で、
あまり信用のおけない史料に載っている情報を引用している箇所もあります。
ぜひご一読を。
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5 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 紫陽花 VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
日本史上の「悪人」を採り上げて、その悪人を通して時代を描く本シリーズの「近世篇」。本作で採り上げられる人物は以下の通り。日野富子、松永久秀、陶晴賢、宇喜田直家、松平忠直、徳川綱吉。「古代篇」より小粒な感じがするが、それだけ個人の悪徳・悪行よりも時代の空気の方が強くなって来た証左であろう。

「日野富子」は日本史上最大の悪女と呼ばれているが、作者は室町末期を史上空前の無道徳時代と断じて(現代に似ているとの指摘は鋭い)、富子の所業もその一環として捉えている。「天下は破れば破れよ、国は滅びば滅びよ、人はともあれ、我のみは栄えむ」との応仁記の作者の言葉が全てを言い尽くしている。「松永久秀(弾正)」は織田信長との絡みで良く出て来る悪名高い梟雄だが、彼も下克上の先駆者として、ある意味時代の申し子と言える。「陶晴賢」は大内家の忠臣だったが、後に君主を弑逆した男。だが、内容的には西国の雄、大内家の瓦解と毛利元就の台頭が中心で、あまり晴賢個人に筆は割かれていない。晴賢の行為は下克上の世にあっては自然であり、悪人ではない。作者はそれを承知で、大内・毛利の運命の皮肉を描きたかったのだと思う。「宇喜多直家」はあの秀家の父親で、小豪族が乱世を生き抜くための智略と胆力を備えた男。作者の評価に逆らうようだが、私はこうした謀略人生を送らざるを得なかった小悪党を紹介するのも本作の意義だと思う。ここから江戸時代。「松平忠直」は二代将軍秀忠の兄の子。世が世なら三代将軍の身。これが災いして、運命や家康を逆恨みして、乱行三昧。地獄絵図の様な内容は本作で一番インパクトがある。「徳川綱吉」は暗愚だったと言う俗説を覆す斬新な論で締め括る。

今回は晴賢、直家、忠直と人選に新鮮味があった。膨大な史料から丹念に悪行・悪人を拾い出す姿勢と独特の切り口が光る歴史譚の佳作。
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1 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By えり
形式:文庫|Amazonが確認した購入
日野富子,松永久秀,陶晴賢,宇喜多直家,松平忠直,徳川綱吉の6人の生涯を描く.各人物に割かれるページ数は40〜50枚程度であるが,その内容は「よくぞここまで」と 溜息が出るぐらい詳細に史実を調べて書かれている.
史実を並べ立てるだけの書物は多々あるが,本書には海音寺先生の“私見”が散りばめられている.「ぼくには一家言がある」などと個々の人物に対する思いが語られており,それがとても心地よい.まさしく私見なのだが,それが何故か自然と共感を呼び起こす.
恐らく海音寺先生は枝葉末節に至るまでの膨大な史書を読まれ,そこから枝葉を刈り取り幹だけを残すという気が遠くなるような作業をなされたに違いない.その作業は我々凡人からしてみれば,ただただ感嘆するしかない.そしてその剪定の結果は,見事であるとしか言いようが無い.本書の唯一の欠点は,如何せん各人について割かれるページ数が短いため,海音寺先生が述べたいことを十分に表現し切れていないのではないかという懸念だけである.
上記6名のことをこれから知りたいと思う人にはもちろんのこと,十分に知っているという方にもお薦めの一冊である.
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