この小説は、歌を聞いていて「赤き鎧の女剣士はどういう人物なのか?」って気になる方にはとてもおすすめです。
他の方もおっしゃってますけど、女剣士が主役でもおかしくなかったですね。考えに正当性があり、強い信念を持っているので一番感情移入しやすかったです。
「リグレットメッセージ」の小瓶に関するエピソードや「Re birthday」を思わせるシーンが入っていたのは、あらためて曲がリンクしていることが確認できて良かったです。
それから、“王女”が牢屋に閉じ込められているときの女剣士との会話や処刑されるときの心情など、曲ではわからなかった気持ちが書かれているのは興味深かったです。まあ、曲とは矛盾するところもあるので読んでいて違和感あった方もいるでしょうが。
残念な点は、曲の補完として期待していた内容があまり描写されてなかったこと。
もっと具体的なエピソードで詳しく知りたいなと思った部分がいくつかあります。
・双子が引き裂かれた訳がいまいちはっきりしなかった。一応説明は出てくるけど、数行の文章なので印象に残りにくい。
・王女がわがままで残虐になった経緯がなかった。「甘やかされて育った」以外にも理由が欲しい。
・「双子の姉弟」であること以外に、なぜ召使が好意を持つ人間を殺してまで暴君王女に尽くすのかがわかりにくい。
・召使が殺人にいたるまでの葛藤が短いし理由に納得しづらい。
上記の理由で、歌に比べると王女と召使には感情移入しにくいですね。どういう点が「哀れな双子」なのかと疑問点が残ります。歌の場合は多少あいまいなほうが自由な解釈ができて良いのですが、小説という媒体だとキャラの行動の理由や感情の流れがしっかり書かれていないと「あれ?」と思ってしまいます。「悪」なのだから文章で読むと感情移入しづらいのは当たり前かもしれませんが、やっぱり召使や王女の行動に納得できるエピソードをもっと書いてほしかったです。
悪ノ召使の曲を聴いていて最も強く感じたのは王女を大切にする召使の想いでした。だから、召使の目から見て王女が“守ってあげたくなるようなとてもかわいい存在”に思える描写も欲しいところ。今後何らかの方法でこのシリーズが補完されるなら、これらの点に期待します。
厳しい意見ばかりになりましたが、悪ノP(mothy)さんの曲や詞が大好きです。