この本には、「現場のナマの声」というか、苦しみ、悩みが織り込まれています。僕も20年近く党の専従をやっていましたが、今も働いているかつての同僚たちを含め、党内では経済的困窮に悩みながら、「10年1日」の如く「赤旗」が減っても選挙に負けても真剣な総括のない責任逃れの幹部の発言に振り回されているようです。僕は、数年前におさらばというか、幹部の逆鱗にふれて辞めさせられたのですが。
たぶん、この本に出てくるような不本意に党を辞めさせられたり、辞めざるを得なかった人は相当な数にのぼるでしょう。そうしたいわば「ヤメ共」の人々が、自分の党員時代の生活を見直しながら、誇りを取り戻して地道に生きる道の建て直しをしていく上でこの本は糧になるのは間違いありません。
現職の幹部時代の筆坂さんは、硬直した幹部ではなく、どちらかというと話のわかる、現場の痛みのわかる人だったと思います。だからこそ、国会質問でも理屈だけでなく血のかよった気迫で人をうならせることが出来たのでしょう。
現在の共産党で、党員や支持者の相談に本にあるような形で真摯に向き合ってくれる最高幹部が一人でもいれば、状況が大きく変わるんじゃないでしょうか。「蟹工船ブーム」で「共産党追い風?」などといわれる折、共産党の実情を知る者として「唇さみし」と感じています。しかし、もっと背伸びせず足元から見つめた真の共産党像を明らかにしてこそ、本当に国民の中で活動していける党になるでしょう。筆坂さんの本を読んで、そんなことを考えました。