本書では「日々是好日(日々とても善い日だ)」という経典を中心に話をいたします。「日々是好日」経とは、パーリ語でBhaddekaratta-suttaと言います。Bhaddaとは、「よい」という意味です。「とてもよい」というニュアンスで、「よい」のなかでも意味がちょっと重いのです。文句がひとかけらもないほど、「なんてよいことでしょうか」という意味です。Ekarattaは、一日(one day)、suttaは「経」です。日本語で直訳すると「善い一日経」となって、ちょっとわかりにくくなります。「日々是好日」という翻訳は、経典の中味を文学的に考えた美しい漢文になっています。意味はパーリ語の経典とぴったり同じです。本書では、この短いお経が私たちに教えてくれる「ブッダの智慧」を、意味を確かめながら丁寧に解説していきたいと思います。ここで学ぶことは、お釈迦様が説かれた「悩みと縁のない生き方」の理論と実践です。「今日は何も悩むこと、苦しむことはなかった、よかった」と言えるならば、それは「人生がうまくいった」ということなのです。ぜひ「悩みと縁のない生き方」を実践し、人生における最高の幸福を味わってください。
アルボムッレ・スマナサーラ
スリランカ上座仏教(テーラワーダ仏教)長老。1945年4月、スリランカ生まれ。スリランカ仏教界長老。13歳で出家得度。国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとる。1980年に来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、現在は(宗)日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事している。朝日カルチャーセンター(東京)の講師を務めるほか、NHK教育テレビ「こころの時代」などにも出演
登録情報
|
|