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悟りへの階梯―チベット仏教の原典『菩提道次第論』
 
 

悟りへの階梯―チベット仏教の原典『菩提道次第論』 [単行本]

ツォンカパ , rle Tsong kha pa , Tshul khrims skal bzang Khang dkar , ツルティムケサン , 藤仲 孝司
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ブッダの心髄を伝えるインド大乗仏教の集大成。待望の全訳!チベット最高の仏教者ツォンカパの代表作『道次第論・ラムリム』、チベット仏教最大の原典であり、ダライラマ法王の講話の典拠となった大乗の理論と実践の精髄。

内容(「MARC」データベースより)

チベット最高の仏教者ツォンカパによる、ブッダの心髄を伝えるインド大乗仏教の集大成。チベット仏教最大の原典であり、ダライラマ法王の講話の典拠ともなった大乗の理論と実践の精髄を全訳。

登録情報

  • 単行本: 415ページ
  • 出版社: UNIO (2005/06)
  • ISBN-10: 4795288909
  • ISBN-13: 978-4795288904
  • 発売日: 2005/06
  • 商品の寸法: 21 x 15 x 2.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
ツォンカパ師の『道次第大論』の重要性は、古くから知られていて、すでに戦前の日本でも着手されていたらしい。長尾雅人さんの翻訳もその成果の一部だという。今回のは、『道次第大論』よりツォンカパ師が晩年に約二分の一程度に要約した『道次第小論』(ラムリム・チュンワ)の全訳だ。この世界的な名著が日本語で読めるようになったのは、うれしい。翻訳は古典の翻訳や研究にふさわしい丁寧なもの。翻訳者自身ももとゲルク派の学僧であり、亡命先では非常時ということもあって、若い僧侶でありながら、チベット国内ではとてもお会いできないような最高クラスのお師匠さんたちから、この伝統を受けた、という。1950年代60年代ということもあって、苦労が多かったようだ。それに、ゲルク派の『道次第論』講義の伝統を伝える割注を丁寧に見ているので、でまかせの部分がない。訳註はたぶん、研究者以外に必要ないだろうが、細かく調べている。ツォンカパ師の著述は、インド大乗仏教が教えた輪廻の苦、業果、四聖諦、利他の菩提心と六波羅蜜の実践などの内容を、忠実に継承している(輪廻の苦、業果、四聖諦といったところは仏教全体に共通した内容だ)。マイトレーヤやアビダルマのテキストなんて哲学書だとの印象が強かったが、このように教えられているのを見ると不思議な感じがする。もちろん中道思想は独特で深い。平易な部分でも分析は緻密だ。初心者にはきついが、考えさせらる内容が多い。
 翻訳用語の問題はどうだろうか。知人の話では、この翻訳は平易な文章になっているが、伝統的な術語を多用しているで、その点、分かりにくい。確かに見慣れなくて難しそうな単語が並んでいると、初心者は読む気が失せてしまう。でも、仏教語はもともと、はるか異国で時代も遠く離れた古代インドから来て、漢訳の伝統ができた。それらにはアビダルマなどに出ているような定義や意味合いがある。今の学者さんたちは、それらをすべて切り捨てて現代語にしているので親しみやすいが、そこには罠もある。その言葉や概念への理解が深まらない。現代の言葉や概念に引きずられて、勘違いも起こってくる。結局、初心者用に留まってしまう。そういう現代語訳や高僧がたの講話録などに親しんだ上で、もっと正確に知りたいときになって、この本に取り組むと困難が少ないし、価値が出てくるのではないか。ツォンカパ師も本著で、仏道を学ぼうとする人は良いお師匠さんから学ぶことが必要不可欠だ、と言っている。また、翻訳者によると、チベットでも在家の人はもちろん出家した僧侶でも、ふつうの人は日常勤行集ですませていて、こんな大著を丁寧に読んだり教えられる機会は少ない。仏教語の正確な意味もすぐれた学僧以外のほとんどの人は知らない、という。本書についても初心者は独力で学ぶのもいいが、仏教の知識が豊富でしかも善良な先生に就いて学ぶか、関心を共有する友達と一緒に学ぶのがいい。よい出会いがあるといいと思う。ついでに、興味深い話だが、ナーガールジュナの中論やそれに対するチャンドラキールティの註釈の日本語訳は、伝統的な漢訳仏教語を多用した古い山口益訳、すべて現代語に置き換えた新しい翻訳などがある。私たちは新しい翻訳のほうが読みやすいと思いがちだが、東アジアの仏教を知り日本語の読める欧米人の研究者にとっては、「古くさい」山口益訳は読むことができるのに、現代語に置き換えた新しい翻訳は読めない、という。これは、「古くさい」伝統用語が実はシナ、朝鮮、日本など漢訳仏教圏の長い時代の共通語であって、地理的、歴史的に普遍性を持っているからだ。この翻訳者は、『道次第大論』(ラムリム・チェンモ)の翻訳もやっていて、成田山の雑誌にその一部を発表している。早くまとめて出版してほしいものだ。
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形式:単行本|Amazonが確認した購入
ラムリム(道次第)は、“顕教と密教、仏陀釈尊の聖教すべてをまとめ、悟りを希求する者が誤ることなく、しかも実践しやすく、さらには一般にも役立つ因果の法則に基づく教えを広めてくれ”という11世紀のチベット王の要請で、インドの三蔵法師アティーシャが阿含経から後期大乗の経典まで含む一切経を教相判釈した『菩提道灯論(ラムドゥン)』に始まる。その後のラムリムを『大智度論』のように集大成したのがツォンカパの『菩提道次第大論(ラムリム・チェンモ)』であり、そこから実践の要点を抜粋したのが本書『菩提道次第小論(ラムリム・チュンワ)』であるが、百科全書のようで必ずしも実践的ではない。

ラムリムが説く三士の道次第は、ブッダ釈尊の説法と対比すれば実践のコツが理解できる。
【下士(人天乗)の道次第】=有暇具足の無常を思念し、三宝への帰依を確立し、カルマの因果関係を正しく知り、十善戒を守るように心がける。⇔【釈尊の導入説法】=「施・戒・生天の三論」(資量位)と「欲の禍患と離欲の功徳」(加行位)の説法で、四沙門果への準備ができている凡夫を確認する。
【中士(小乗)の道次第】=輪廻を厭い、解脱(出離)を希求する心を起こす。その上で、戒・定(止住、禅定波羅密)・慧(勝観、般若波羅密)の三学を実践。⇔【釈尊の聖道説法】=口密の慧で三結煩悩を断じたシュダオン(預流、見道位)、身口密で五下分結煩悩を断じたアナゴン(不還)、両者の中間のシダゴン(一来、修道位)という四沙門果が相当する。
【上士(大乗)の道次第】=一切衆生に対する大慈悲を起こし、「衆生救済の重荷を自分一人で背負って立とう」という殊勝な決意を固め、実際にそのための修行へ入る菩提心が確立。⇔【釈尊の阿羅漢説法】=身口意の三密で掌の葉に相当する真理を体得した阿羅漢(無学位)は、森の葉全体の真理を体得した釈尊に学ぶ第一段階のブッダに相当する。

本書も、<四聖諦のうち滅諦が小乗仏教の解脱の境地とならないように、道諦がそれに至る方法とならないように、という意図で、滅諦と道諦にはあまり触れずに、輪廻の本質は苦しみであるという真実(苦諦)と苦しみには原因があるという真実(集諦)についてのみ詳しく解説している>『大論』を踏襲しているが、時代背景が異なる現代では四聖諦に戻すべきである。
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