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恩讐の彼方に・忠直卿行状記 他八篇 (岩波文庫)
 
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恩讐の彼方に・忠直卿行状記 他八篇 (岩波文庫) [文庫]

菊池 寛
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

有名な九州耶馬渓、青の洞門の伝説を小説化した『恩讐の彼方に』、封建制下のいわゆる殿様の人間的悲劇を描いた『忠直卿行状記』は、テーマ小説の創始者たる菊池寛の多くの作品中の傑作として知られる。他に『三浦右衛門の最後』『藤十郎の恋』『形』『名君』『蘭学事始』『入れ札』『俊寛』『頚縊り上人』を収める。

登録情報

  • 文庫: 223ページ
  • 出版社: 岩波書店; 改版 (1970/12)
  • ISBN-10: 4003106318
  • ISBN-13: 978-4003106310
  • 発売日: 1970/12
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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11 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
ザ・重厚 2007/12/24
By raywayne トップ500レビュアー
かつて松本清張は、現代における菊池寛の評価が不当なまでに低いことに憤りを覚える−と、語ったことがありました。 “芸術よりも生活が大事”と言った菊池に、生活人としての辛酸をなめてから作家になった松本は共感するところが多かったのでしょう。 松本もまたその長い作家生活の中で、スーパー名探偵やレトリック重視の推理作品を書こうとはしませんでした。

この作品集に収められている数々の物語は、いわゆるおしゃれで華麗な−といった形容とは無縁のものばかりです。 非凡ではあってもけっして天才などとはいえない普通の人間たちが、人生でぶつかる運命的な出来事−そのとき彼らはどういう決断を下し、その結果どうなったか、というストイックな内容のものが多いです。 全体的に見ると、あくまでも誠実に生きようとした主人公たちは人生の喜びを見つけることに成功しますが(“恩讐の彼方に” “俊寛”など)不道徳で安易な道を採った者や自暴自棄に陥った者達は不本意な結果を迎えます(“忠直卿行上記” “藤十郎の恋” “入れ札”など)。 また、二人の己の信念に忠実な男たちが直面せざるを得ない苦い結末“蘭学事始”という佳作も見落とせません。 これは確か昔、中学校の国語の教科書にも載っていたと思います。

決して“珠玉の名品集”などという呼び方は似合いませんが、ゴツゴツと武骨でありながらも不思議なやさしさを感じさせる優れた短編集です。 短くても密度の濃い小説を探している方には最適です。
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16 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 子供みたいにぼろぼろ泣くことができた本として、私の記憶には残っています。

 しかし、今読み返してみると・・。

 毎日の生活に、社会に揉まれ、八方塞がりで・・・

 どこにいっていいいか分からなくて、とうとう醜い嫉妬に狂っている私って・・。

 まさに今の私の状態と『恩讐の彼方には』は同じ状況だ。

 高校生の頃は、ぼろぼろ泣いた当時、まさかこの作品と同じような状況に置かれるとは・・・。

 やはり名作とは、普遍的な共感を得るからこそ名作なのですね。

 「まだ間に合う」という想い(願い)を込めて、『恩讐の彼方に』を再読しました。

 そういう意味で、どんな、自己啓発本より、私に渇を入れてくれた本です。
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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
 当節では余り読まれなくなった菊池寛ですが、本文庫には彼の代表的短編が九篇収められています。青の洞門の伝説を小説化した『恩讐の彼方に』をはじめ、暴君と化していく人間の姿を描いた『忠直卿行状記』など、20世紀的解釈のもとに表現されており、今なお一読に値する佳作が揃っています。『藤十郎の恋』や『俊寛』なども芝居好きな人にとっては、どこか新鮮な近代的感覚を加味したテーマ小説として読むことが出来て、定めし楽しめることでありましょう。
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