この第2巻には、「高校生記者シリーズ」の68年〜70年の間に発表されたものを収録しています。絵柄はほぼ固まってきています。こちらも多彩な恐怖譚がぎっしり詰まっていて、非常に面白い。第1巻と甲乙つけ難い内容だと思います。
本書の白眉は、美と醜をテーマとした愛憎劇「みにくい人」だと思います。誰もがうらやむ美少女のミカと、ふた目と見られないほど醜い土子は、周囲には不釣り合いに映ったが親友同士でした。だがある事件をきっかけに2人の立場は入れ替わり、背筋も凍るドラマが始まります。最後のナレーションによる考察も深過ぎる…
「毒ガ」は、理科学部の少女が毒蛾の鱗粉から“死体を永遠に美しく保つ”防腐剤を作りだすのだが、それを使用した少女に恐るべき異変が…という物語。迫りくる毒蛾の怪物が恐ろしいが、単なるモンスターホラーにはとどまらない内容です。
「夜あるく者」の題名が何を意味するかというと、墓を掘り返し死肉を喰らう夢遊病者の事なんです。これぞ楳図漫画といったサイコホラーに仕上がってると思います。
「うばわれた心臓」は85年にOVA化された事があります。傑作集「恐怖劇場」にもずっと入っていた、けっこう名の通った作品です。「とりつかれた主役」は化粧に魔が宿り人を狂わせる物語で、「綾辻行人が選ぶ!楳図かずお怪奇幻想館」にも選出された秀作です。
死してなお消える事のない妻の夫への執着心を描いた「こわい絵」も面白いし、ほんと粒ぞろいです。
「うばわれた心臓」
「顔を見ないで」
「毒ガ」
「こわい絵」
「われたつり鐘」
「みにくい人」
「とりつかれた主役」
「夜あるく者」
「サンタクロースがやってくる」
「雪山のまねき」