2008年の「超-1怪コレクション」傑作選は、編者自身が「この本は怖い」というが如く、深く考えれば気鬱になりそうな、因縁や業に絡められた話が多いように様に思う。ただ、そうでもない話も多かった。印象深いものを以下点描す。
「塩壁」…魔物が封印されている間は無事だとしても、棲むのは怖いな。
「石段」…空間や視覚的、心理的な描写に優れた作品。作者の優れた文章力を感じる。
「ありがとう」…親切にしたことで亡霊に魅入られたが為に、危機一髪だった体験者。
「百鬼朝行」…そこまで頻繁に大量に見続けて、正気を保てるのが凄い。黎明の街には様々なものが蠢いているのだなあ。
「原因」…真夜中に恍惚の表情で風呂桶の水を飲む美しい女。出会ってみたい妖艶な光景である。
「たえこ」…詳細で貴重な憑依体験例。脱憑依後は嘔吐するというのは他の事例にも共通する。
「血の池地獄」…こっくりさんに現れた霊に、地獄まで導かれた珍しい体験談。
「見」…見えざるものを見えると偽る事に何者かを激怒させたのだろう。でも、命まで奪いに来るなんて…。
「苦い」…呪われた土地、呪われた村、因縁に関わる家でやってしまった悪事は、自らに祓えない呪いとなって降りかかった。
個人的に最恐なのは、「ポラロイド限定」である。霊感が強いが為に、偶然撮ってはいけないものを撮ってしまい、それに祟られた…。好んで持った能力でもないのに…不条理で陰惨な話である。