実話系のホラー短編集である。
看護師である著者のところには、医療現場で起こった様々な怪異譚が集まってくるという。病院や医師とは直接的には関係ない話もあるので、このタイトルはふさわしくないかもしれない。
しかも、出てくるのは正体のはっきりした幽霊だけではない。モノノケとしか表現しようのない、得たいの知れない「何か」がそこにいる。
本人が体験したことではないにせよ、これが絶妙の物語として仕立てられている。まるで極上の小説を味わうかのごとき、充実した時間を与えてくれることは間違いない。ホラー好きにはたまらない一冊である。