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恐怖の存在 下 (3) (ハヤカワ文庫 NV ク 10-26)
 
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恐怖の存在 下 (3) (ハヤカワ文庫 NV ク 10-26) [文庫]

マイクル・クライトン , 酒井 昭伸
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

モートンの自宅で発見された、四組の数字が並ぶメモ。そこには重大な情報が隠されていた。エヴァンズはMIT危機分析センターの所長ケナーから、人為的に気象災害を起こそうとする環境テロリストの存在を知らされる。その企みを阻むべく、彼はモートンの秘書サラ、ケナーらと共に南極をはじめ世界各地で激闘を繰り広げる。そしてヴァヌーツの訴訟も意外な展開を見せていた。地球温暖化問題をテーマに描くサスペンス巨篇。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

酒井 昭伸
1956年生、1980年早稲田大学政治経済学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 510ページ
  • 出版社: 早川書房 (2007/8/8)
  • ISBN-10: 4150411476
  • ISBN-13: 978-4150411473
  • 発売日: 2007/8/8
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 この本、実に示唆的で、多面的な本だと言える。
「全ての人」に虚心に読んでもらって、意見を聞いてみたい。それが総合的な評価だ。

 細かく言うと、まずは小説としての評価。
冒頭の入り方、伏線の張り方などちょっとごちゃごちゃして
必ずしも読みやすいとは言えないし、効果的ともあまり思えない。
物語を引っ張る登場人物も何者かわからず、入り込みづらくしている。
 ちなみに本書の主人公はピーター・エヴァンズ弁護士(だと思う)であるけれど、
作中になかなか出てこない上あまり目立たないので、
ちょっと注意しておいた方が読みやすいかもしれない。

 環境テロリストとの対決がストーリーの軸である本書、ハイテクを駆使したテロリストとの
攻防は手に汗握る。後半部に入ると息もつかせぬ展開。サスペンス×冒険小説として十分な出来だ。

 本書におけるもう一つの大きなポイント、それは

「地球温暖化など存在しない」ということ。

少し誇張して書いたが、本作主人公達の属する陣営のそれが主張だからだ。

 妄言ではない。クライトンはそれを裏付ける証拠を多数引用している。
時に物語の流れを阻害する程長く。
 
 文庫本の巻末寄稿文で日本の大学教授は、クライトンが温暖化に対して態度保留している
かのような書き方をしているが、それは少し違うと思う。
(さらに本書刊行後に起こったハリケーン災害一つをとって、さも「温暖化の証拠」であるように
書いているのはどういうわけだろう?もっと長期的な視点で、科学的に検証すべきとの
本書の主張と相容れないようにおもうが・・・)
 クライトンが、作品中、そして章ごとと巻末の長大な引用文献の掲載(文庫版では割愛)を通じて、
主張したかったのは、科学的に見て、人間の活動の結果としての地球温暖化は
存在しないか、現時点において観測出来ていないということ。
そして温室効果ガスへの対策などに莫大なコストを投じるのは現時点では時期尚早だということ。
「現時点」と書くと将来において確認されるだろうという印象があるかもしれないが、さにあらず、
現時点でそれは多様な可能性のほんの一つであるとの主張だ。

 さらにクライトンはそこで足踏みをしているだけにとどまらない。
なぜ現実世界における我々が、頭っから「地球温暖化問題」を信じ込んでいるのか、
というところに話はすすむ。
 
 それはテロリストや環境保護団体のせいなどではない(もちろん少しは関係あるが)

 それが本書のタイトル「恐怖の存在」なのだ。

 さてこの現代サイエンス小説の巨匠は、啓蒙された(?)我々への行動の指針までも作中に忍ばせる。
そしてどんな新しい考えもかならず世界にそぐわなくなるのだということ、
その時はきっぱりとその考えを捨てる事をも要求する。

 それはたったの20年だという。

 書かれている事が本当か嘘か、本書を読んでみてもらいたい。
その内容をある程度は自宅のPCで確認する事もできる。
その上でどう思うかはその人次第だ。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
「社会統制のためにいちばん効果的なのは、恐怖を通じてコントロールすること。それに尽きる・・・東側の恐怖。核戦争の恐怖」
「環境危機が冷戦の代わりに持ち出された」のは、「恐怖の内容そのもの」ではなく「つねに恐怖する対象」をつくる必要からであり、
「ほぼ百年前には最先端科学として受け取られ全体主義政治に利用されながらも、のちに擬似科学であったことが判明した「優生学」の運命が・・・
今日において・・・最新科学(地球温暖化の主原因=化石燃料消費によるCO2排出)にもあてはまるかもしれない(巻末の巽孝之・慶大教授の解説)」

「環境保護団体の活動がなければ・・・ずっとずっとひどいありさまになっていただろう」
「人々が善意から行動しているのはたしかだと思う」と評価しながらも、
「高邁に見える運動の陰」を注視するクライトン氏のメッセージ
「安全に対する現在のヒステリーに近いこだわりは、どんなに好意的に評価しても資源に対する浪費であり、
人間の精神を萎縮させるものであって、最悪の場合、全体主義にも通じかねない。
その点を啓蒙することは絶対に必要だ」に共感を覚えた。
「絶対確実を標榜する・・・人間の思いこみの歴史」には、私自身、反省することしきりだからである。

本書『恐怖の存在』より
「地球温暖化の理論によれば、閉じこめられた熱によって大気上層部の温度があがるはずなのよ。
温室効果ね。地表の温度があがるのはそのあとのこと。ところが、1979年以来、周回衛星を使って、
高度8キロの大気の温度が継続的に測定されてきているんだけど、その観測データによると、
大気上層部の温度上昇は、地表の温度上昇よりもずっと小さいのよ」
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2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
巷では地球温暖化に関する記事・評論等多数あり、私もそれなりに考えていた。この小説では「世界には常に『恐怖の存在』が必要であり、「温暖化」はそのために「つくられた真実」である、ということが多種多様なストーリーを通じて述べられている。内容は面白い。しかし、外国小説独特の言い回し(翻訳の都合で仕方ないのですが)がどうも好きになれないのでマイナス1点。
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