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恐るべき旅路 ―火星探査機「のぞみ」のたどった12年―
 
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恐るべき旅路 ―火星探査機「のぞみ」のたどった12年― (単行本)

松浦 晋也 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

宇宙へと産み落とされた嬰児「のぞみ」は、いってみればよちよち歩きを始めたばかりだ。それを、子供の目の前で手をたたくようにして火星まで導かなければならない。あんよはじょうず、あんよはじょうず。それは苦難に満ちた旅の始まりだった。あいつぐトラブル。それでも「のぞみ」は二十七万人の祈りと希望をのせて火星へと飛び続けた。火星探査機「のぞみ」の苦闘のすべてを描く、迫真の科学ドキュメンタリー。


内容(「MARC」データベースより)

度重なるトラブルを克服して火星を目指しながら、ついに周回軌道突入を断念した火星探査機「のぞみ」。27万人の祈りと希望をのせて飛び続けた「のぞみ」の苦闘のすべてを描く科学ドキュメンタリー。

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5つ星のうち 5.0 泣きました!, 2005/6/4
2003年の秋。
中国が有人宇宙飛行に成功した後、
地球観測衛星「みどり2」が機能停止し、
H-IIAが打ち上げに失敗し、
火星探査衛星「のぞみ」がのぞみを経ち、
日本中に、「日本の宇宙開発はどうなってるんだ!?」「税金の無駄使いもいい加減にしてくれ!!」の嵐が吹き荒れたことは記憶に新しい。
私も、「のぞみ」が火星軌道に入れず、火星を通り過ぎていくと聞いたときには、「おいおいおい、お~い。アメリカはとっくに火星に着陸してるのにねぇ。」と、思ったクチである。

しかし、そのどれもこれもが、全く恥ずかしい発言だったと、この本を読むと思い知らされる。
「のぞみ」は、開発中も、宇宙に飛び立ってからも、あらゆる理不尽を飲み込んで、何度も何度も限界を超えて、火星まで行った、「十分、十分過ぎるほどよくやったすばらしい」衛星だった。

開発者達は、その理工学方向に優れ過ぎる頭ゆえか、はたまた、立派な人特有の謙虚さからか、単純に、忙しくて面倒臭いだけか、口ベタだ。
この本は、「のぞみ」に『人生をのみこまれた』尊敬すべき口ベタな関係者と、われわれ素人との、橋渡しをしてくれる本である。
また、それのみならず、衛星の入門書であり、宇宙開発の経緯をおさらいできる歴史書であり、現在の日本の宇宙開発環境の厳しさを伝え、今後どうあるべきかを問う白書であり、とどめに、なぜ宇宙開発が必要なのかを考えさせられる哲学書(?)でもある。

-----------
彼は、「それは・・・事情を知らない人にそういうことは言われたくないです」と答えた。それまで明晰かつ落ち着いた口調で「のぞみ」の運用を説明してきた早川だったが、この答えだけには一瞬強い怒りの感情がにじんだ。(P427)
-----------

ここを読んだとき、それまで胸に充満し続けていたものが、ついに耐え切れず、一気に目頭にツーンと抜けた。
本を読んで泣いたのは、はじめてです。

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52 人中、51人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 これは断じて「失敗」ではない, 2005/8/20
副題には「のぞみのたどった12年」とあるが、その胎動は1970年から始まっており、前半部は打ち上げまでの紆余曲折が書かれている。のぞみ失敗の萌芽はすべてここに凝縮されており、要約すると「みんなビンボが悪いんや」ということになる。しかしながら、貧乏を知恵で克服する過程は実にスリリングで、読んでいると技術者魂に火がついてしまう。

あと、前半の山場である「あなたの名前を火星へキャンペーン」で、最初は不満タラタラだった関係者が、ハガキに書かれたメッセージを読んで次第にモチベーションを高められていくシーンもいい。日本の宇宙開発における的川氏の存在が、いかに重要かがわかるエピソード。

しかし、その盛り上がりも、打ち上げ後に次々と襲いかかるトラブルへの対処に比べたらものの比ではない。まったく、地味~な軌道計算が、こんなにカッコよく描かれていいのか。地味が得意(?)な谷甲州でも、こんな描写は書けまい、というくらいカッコいい。これを学生に読ませたら、軌道計算屋志望者が街にあふれるよ!

もちろんその後の、かの有名な1bit通信から、スイッチON/OFFによるリミッター焼き切りまで、ギリギリまで粘って先へ進もうとする技術者たちの奮闘は、本当に涙なしには読めない。最終的に火星周回軌道への投入は失敗したわけだが、ここまでやったんなら、これだけの経験が積めたのなら、いいじゃんと思う。この経験はきっと「次」に活かされるわけだし。一国民としては「次」の実現を世論で後押しする、それだけだ。

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25 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 26万人の1人として, 2005/6/4
~結局失敗に終わり、マスコミでは損害金額ばかりを言い立てられた国産火星探査機「のぞみ」の、計画開始から失敗後の原因究明までを辿ったルポルタージュ。
宇宙モノに定評のある著者らしく、丹念かつ高校1年で文転してしまった私ですら一気に読み通せるような筆致でプロセスの全容をあぶり出しています。
「のぞみ」失敗の裏にある政治的要因の数々には憤~~りどころか、何度「ばっかやろ~」と拳を振るわせたかわかりません。要は、最初から予算がきちんとついて、省庁間の変な軋轢さえなければ、成功したプロジェクトだったんじゃん。
とは言え思い切り涙してしまったのは、宇宙研が「のぞみ」打ち上げに当たって一般に呼びかけた署名に関するエピソード。当時、殆どミーハー気分で応募したのは良いものの、後で~~知り合いの研究者から「お陰でエラいコトになってる」と聞かされて、「のぞみ」失敗のニュースに、「もしかして、このせいで最終チェックに時間を取られたから……?」などと、少々罪悪感を感じていたのですが、そうではなかったことを初めて知らされて、ホッとしたのと同時に人間の宇宙に対する“想い”に感動しました。
願わくば、26万人の“想い”を受け止~~めた今回の「のぞみ」が、“次へののぞみ”とならんことを。「宇宙開発? 別に日本がやらなくてもいーじゃん」と思っている全ての人に読んで頂きたいと思っています。
“邪悪な探査機”だの何だの、SFアニメ世代には“くすにやり”とさせられる小ネタもちらほらと散りばめられていることですし。~
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